出来高の多い株と少ない株、どちらを選ぶべき?
こんにちは!今日は、銘柄選びで非常に重要な「出来高」について、
より実践的な選び方をお話しします。
前回の記事で、「出来高が少ない株は危険」とお伝えしましたが、
今日はさらに踏み込んで、実際にどちらを選ぶべきかを具体的に解説します。
出来高の基本をおさらい
まず、簡単におさらいしましょう。
出来高とは?
出来高:その日(または月)に実際に売買された株の数
例:
- 出来高10万株 → その日、10万株が売買された
- 出来高100万株 → その日、100万株が売買された
なぜ出来高が重要なのか?
出来高は、その株の流動性を表します。
流動性とは:
- 買いたい時に買えるか
- 売りたい時に売れるか
- スムーズに取引できるか
つまり、**出来高 = 株の「売買のしやすさ」**なんです。
出来高で分ける3つのカテゴリー
出来高によって、株を3つのカテゴリーに分けることができます。
カテゴリーA:超大型株(出来高100万株以上)
代表例:
- トヨタ自動車:出来高300万〜500万株/日
- ソニーグループ:出来高200万〜400万株/日
- 三菱UFJ:出来高500万〜800万株/日
特徴:
- 日本を代表する大企業
- 時価総額が数兆円
- 機関投資家が主な参加者
カテゴリーB:中型株(出来高10万〜100万株)
代表例:
- 上場5〜15年の成長企業
- 時価総額500億〜5,000億円
- 知る人ぞ知る優良企業
特徴:
- 適度な流動性
- 個人投資家も参加しやすい
- 成長余地がある
カテゴリーC:小型株(出来高10万株未満)
代表例:
- 上場間もない企業
- ニッチ市場の企業
- 時価総額100億〜500億円
特徴:
- 流動性が低い
- 値動きが激しい
- ハイリスク・ハイリターン
それぞれのメリット・デメリット
各カテゴリーの特徴を詳しく見ていきましょう。
カテゴリーA:超大型株
メリット
1. 安定性が高い
出来高が多いということは:
- たくさんの人が取引している
- 急激な値動きが少ない
- 予測しやすい
具体例: トヨタ自動車の日々の値動き:
- 通常:±1〜2%
- 大きく動いても:±3〜5%
一日で10%、20%動くことは、ほぼありません。
2. いつでも売買できる
出来高が多いので:
- 買いたい時にすぐ買える
- 売りたい時にすぐ売れる
- 大量に売買しても影響が少ない
具体例: 1,000株を売買しても:
- 出来高300万株の中の1,000株
- 全体の0.03%
- ほぼ影響なし
3. チャートが素直
出来高が多いということは:
- 多くの参加者の総意
- 機関投資家も操作しにくい
- テクニカル分析が機能しやすい
移動平均線やボリンジャーバンドが、よく機能します。
デメリット
1. 大きく上がりにくい
すでに巨大企業なので:
- 2倍、3倍は難しい
- 年間で20〜30%上がれば良い方
- 爆発的な成長は期待できない
具体例: トヨタ自動車(時価総額約40兆円)が2倍になる:
- 時価総額80兆円になる必要がある
- 日本のGDP(約550兆円)の15%
- 現実的には難しい
2. 資金効率が悪い
動きがゆっくりなので:
- 大きな資金が必要
- 利益を出すのに時間がかかる
- 資金を寝かせる期間が長い
具体例: 100万円投資して年間20%上昇:
- 利益:20万円
- 期間:1年
同じ100万円で、別の株なら:
- 3ヶ月で30%上昇もあり得る
- 利益:30万円
- 期間:3ヶ月
3. つまらない(重要!)
- 日々の値動きが小さい
- ワクワク感がない
- でも、実はこれが良いことでもある
カテゴリーB:中型株
メリット
1. 成長余地がある
まだ大企業ではないので:
- 2倍、3倍も十分あり得る
- 事業拡大の余地がある
- 新規市場への参入も可能
具体例: 時価総額1,000億円の会社が2倍:
- 2,000億円になる
- 十分現実的
2. 適度な流動性
出来高10万〜100万株なら:
- 個人投資家でも売買しやすい
- でも、急激には動かない
- バランスが良い
3. 情報が得やすい
- ある程度知られた企業
- ニュースにも出る
- 四季報にも詳しく載っている
4. 株研メソッドに最適
実は、このカテゴリーが株研メソッドに最も適しているんです。
理由:
- チャート分析が機能する
- 2ヶ月連続陽線のサインが出やすい
- 成長余地がある
- 適度に売買できる
デメリット
1. 超大型株ほど安定していない
- 日々の値動きが大きい場合もある
- ニュースの影響を受けやすい
2. 大量の売買は難しい
例えば、出来高30万株の銘柄で:
- 1万株を売買するのは可能
- でも、10万株を一度に売買するのは難しい
個人投資家にはほぼ関係ないですが。
カテゴリーC:小型株
メリット
1. 爆発的な上昇もあり得る
小さな会社なので:
- 株価が5倍、10倍もあり得る
- 「テンバガー」(10倍株)の可能性
- 一攫千金のチャンス
具体例: 時価総額100億円の会社が10倍:
- 1,000億円になる
- 成長企業なら可能
2. 誰も注目していない時に買える
- まだ知られていない企業
- 競争相手(他の投資家)が少ない
- 安く買える可能性
デメリット
1. 売りたい時に売れない
これが最大の問題です。
具体例: 出来高5,000株の銘柄で、あなたが1,000株持っている:
- 全体の20%
- 全部売ろうとすると、株価が下がる
- 何日もかけて売る必要がある
2. 株価を操作されやすい
出来高が少ないと:
- 機関投資家が自由に動かせる
- 投資情報サービスの標的になる
- 個人投資家はカモにされる
3. チャートが機能しにくい
- 少しの売買で大きく動く
- ノイズが多い
- テクニカル分析が効きにくい
4. 情報が少ない
- あまり知られていない
- ニュースにもならない
- 分析しにくい
結論:どちらを選ぶべきか?
さて、本題です。どのカテゴリーを選ぶべきでしょうか?
株研メソッドの推奨:カテゴリーB(中型株)
推奨する出来高の範囲:
- 最低ライン:10万株/日
- 理想的:20万〜50万株/日
- 上限:100万株/日程度
この範囲がベストな理由を説明します。
理由1:成長余地と安定性のバランス
成長余地:
- まだ2倍、3倍になる可能性がある
- 株研メソッドの目標(年利20〜30%)を達成しやすい
安定性:
- 極端な値動きは少ない
- 売りたい時に売れる
- 精神的に楽
理由2:チャート分析が機能する
出来高10万株以上あれば:
- 2ヶ月連続陽線が信頼できる
- ボリンジャーバンドが機能する
- 移動平均線も有効
具体例:
出来高30万株の銘柄:
- 多くの参加者の総意
- 2ヶ月連続陽線 = 本当に上昇開始
- 信頼度が高い
出来高3,000株の銘柄:
- 少数の参加者だけ
- 2ヶ月連続陽線 = たまたまかも
- 信頼度が低い
理由3:操作されにくい
出来高10万株以上あれば:
- 機関投資家も簡単には動かせない
- 投資情報サービスも標的にしにくい
- フェアな価格形成
理由4:実践的
買う時:
- 1,000株程度なら問題なく買える
- 希望価格で約定しやすい
売る時:
- 1,000株程度なら問題なく売れる
- 利益確定がスムーズ
理由5:情報が適度にある
- 四季報に載っている
- たまにニュースにもなる
- でも、まだ一般に知られていない
この「適度に知られている」状態がベストなんです。
実際の銘柄選びフロー
では、実際に出来高を使って銘柄を選ぶフローを見てみましょう。
ステップ1:条件で絞り込む
基本条件:
- 上場10年未満
- 株価1,000円以下
- 2ヶ月連続陽線
ここまでで、候補が30〜50銘柄くらいになります。
ステップ2:出来高でフィルター
次に、出来高でフィルターをかけます。
チェック項目:
- 平均出来高:過去30日の平均
- 最近の出来高:直近1週間の平均
- 2ヶ月連続陽線時の出来高
フィルター条件:
- 平均出来高10万株以上
- 2ヶ月連続陽線時に出来高が増えていればなお良い
ここまでで、候補が10〜15銘柄くらいになります。
ステップ3:出来高の推移をチェック
単に多い少ないだけでなく、推移も見ます。
良いパターン:
3ヶ月前:出来高8万株(株価350円)
2ヶ月前:出来高10万株(株価380円)
1ヶ月前:出来高15万株(株価420円、陽線)
今月:出来高20万株(株価500円、陽線)← 2ヶ月連続陽線
このように、株価の上昇と共に出来高も増えているパターンは理想的です。
なぜなら:
- 注目され始めている証拠
- 多くの人が買い始めている
- 上昇が本物の可能性が高い
悪いパターン:
3ヶ月前:出来高30万株(株価600円)
2ヶ月前:出来高25万株(株価550円)
1ヶ月前:出来高15万株(株価520円、陽線)
今月:出来高10万株(株価560円、陽線)← 2ヶ月連続陽線
株価は上がっているけど、出来高が減っているパターンは要注意です。
なぜなら:
- 注目度が下がっている
- 買い手が減っている
- 上昇が続かない可能性
ステップ4:売買代金もチェック
出来高だけでなく、売買代金も確認しましょう。
計算式:
売買代金 = 株価 × 出来高
例1:
- 株価500円、出来高30万株
- 売買代金:1億5,000万円
例2:
- 株価2,000円、出来高10万株
- 売買代金:2億円
推奨ライン:
- 最低:5,000万円/日
- 理想:1億円〜5億円/日
売買代金が大きいほど、流動性が高いです。
ステップ5:最終判断
ここまでで、候補が3〜5銘柄に絞られているはずです。
最終的には:
- 業種
- ビジネスモデル
- 財務状況
- 自分の理解度
これらを総合して判断します。
ケーススタディ:実際の比較
具体的な銘柄(仮名)で比較してみましょう。
A社 vs B社 vs C社
A社(超大型株):
- 上場:25年前
- 株価:2,500円
- 出来高:500万株/日
- 時価総額:5兆円
- 事業:総合電機メーカー
分析:
✅ 安定している
✅ 流動性抜群
❌ 株研メソッドの対象外(上場10年以上)
❌ 大きく上がらない
❌ 株価1,000円超
判定:対象外
B社(中型株):
- 上場:4年前
- 株価:650円
- 出来高:25万株/日
- 時価総額:800億円
- 事業:クラウドサービス
分析:
✅ 株研メソッドの条件を満たす
✅ 適度な出来高
✅ 成長余地がある
✅ 売買しやすい
✅ チャート分析が機能する
判定:最適!
C社(小型株):
- 上場:2年前
- 株価:420円
- 出来高:5,000株/日
- 時価総額:150億円
- 事業:ニッチなソフトウェア
分析:
✅ 株研メソッドの条件(上場年数、株価)は満たす
✅ 爆発的に上がる可能性
❌ 出来高が少なすぎる(5,000株)
❌ 売りたい時に売れないリスク
❌ 操作されやすい
判定:リスクが高い、避けるべき
結論
この3社の中では、B社が最適です。
出来高が少ない銘柄を買う場合の対策
それでも、「どうしても出来高が少ない銘柄を買いたい」という場合の対策です。
対策1:少額から始める
ルール:
- 出来高が少ない銘柄は、投資資金の10%まで
- 100万円の資金なら、10万円まで
こうすれば、売れなくても被害は限定的です。
対策2:長期保有を覚悟する
出来高が少ない銘柄は:
- すぐには売れない
- 3年、5年保有するつもりで買う
- 短期で利益を狙わない
対策3:より厳格に2ヶ月連続陽線を待つ
出来高が少ない分、サインの信頼性を高めます:
- 2ヶ月連続陽線だけでなく
- 3ヶ月連続陽線を待つ
- または、-3σタッチを条件にする
対策4:分割して売る
売る時は、一度に全部売ろうとしない:
- 1,000株持っているなら
- 1日200株ずつ、5日間かけて売る
- 株価への影響を最小限に
対策5:指値注文を活用
成行注文ではなく、指値注文で:
- 希望価格を指定
- その価格で売れなければ、翌日また試す
- 焦らない
よくある質問
Q1:出来高が急増したら買い?
A:ケースバイケースです。
良いケース:
- 底値圏で出来高が急増
- 2ヶ月連続陽線と同時
- → 注目され始めたサイン、買い
悪いケース:
- 高値圏で出来高が急増
- すでに株価が大きく上昇した後
- → 天井のサイン、買わない
Q2:出来高が減ってきたらどうする?
A:保有中の銘柄の出来高が減ってきたら要注意です。
- 注目度が下がっている
- 上昇が終わりかけている可能性
- 売却を検討
Q3:日によって出来高が大きく変わる銘柄は?
A:ボラティリティ(変動性)が高い銘柄です。
- 日によって10万株だったり、50万株だったり
- 安定していない
- できれば避ける
チェック方法:
- 過去30日の出来高を見る
- 極端なバラつきがないか確認
Q4:出来高ランキング上位の銘柄は買い?
A:出来高ランキング上位に突然出てきた銘柄は要注意です。
なぜなら:
- 何かのニュースで急騰したかも
- すでに高値になっている可能性
- 天井で買ってしまうリスク
株研メソッドでは:
- 出来高ランキングは参考程度
- あくまで2ヶ月連続陽線が基準
まとめ:中型株が最適解
今日学んだ重要ポイント
- 出来高で株を3つに分類
- 超大型株:100万株以上(安定だが上がりにくい)
- 中型株:10万〜100万株(バランスが良い)
- 小型株:10万株未満(ハイリスク・ハイリターン)
- 株研メソッドは中型株が最適
- 出来高10万〜50万株が理想
- 成長余地と安定性のバランス
- チャート分析が機能する
- 出来高の推移も重要
- 株価上昇と共に出来高も増えているのが理想
- 出来高が減っている場合は要注意
- 売買代金もチェック
- 最低5,000万円/日
- 理想は1億円〜5億円/日
- 小型株はハイリスク
- 爆発的に上がる可能性はある
- でも、売れないリスクが大きい
- 初心者は避けるべき
実践のための判断基準
迷った時のチェックリスト:
□ 平均出来高10万株以上?
□ 売買代金5,000万円以上?
□ 2ヶ月連続陽線時に出来高が増えている?
□ 過去30日の出来高が安定している?
□ 自分が1,000株売買しても影響が少ない?
5つ全部に✓が付けば、その銘柄は出来高的には問題なしです。
最後に:出来高は「安全性の指標」
株価だけ見て買うのは危険です。
出来高をチェックすることで:
- 売りたい時に売れる
- 操作されにくい
- 安心して保有できる
たった1分のチェックで、大きなリスクを避けられます。
必ず、出来高を確認してから買いましょう!
今日のポイント:
- 出来高で株を3つに分類できる
- 株研メソッドは中型株(10万〜50万株)が最適
- 出来高の推移も重要(増えているのが理想)
- 売買代金もチェック(最低5,000万円)
- 小型株はハイリスク、初心者は避けるべき
- 出来高は「安全性の指標」、必ずチェック
次回は、「貸借銘柄とは?初心者が知っておくべき基礎知識」で、
さらに深い銘柄選びのポイントをお話しします!

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