感情を投資に持ち込んではいけない理由
こんにちは!今日は、株式投資で最も重要でありながら、
最も難しいテーマについてお話しします。
「感情」
多くの投資家が負ける理由は、知識不足でも、資金不足でもありません。
感情のコントロールができないからです。
今日は、なぜ感情が投資の敵なのか、
そしてどうやってコントロールするのかを徹底的に解説します。
感情が投資を破壊する5つの瞬間
まず、感情がどのように投資判断を狂わせるのか、具体例で見ていきましょう。
瞬間1:恐怖(Fear)
典型的なシーン:
あなたは500円で株を買いました。
1週間後、株価が450円に下落(-10%)。
感情が襲ってくる: 「やばい…下がってる…」
「もっと下がるんじゃないか…」
「損失が拡大する前に、売った方がいいんじゃないか…」
「怖い…怖い…」
感情に支配されると: → 450円で損切り → -50円の損失確定
その後、何が起きたか:
2週間後:480円(少し戻った)
1ヶ月後:550円(購入価格を超えた)
3ヶ月後:750円(+50%)
もし、感情に支配されずに持ち続けていたら: +250円(+50%)の利益
恐怖が、利益を奪った
瞬間2:欲望(Greed)
典型的なシーン:
あなたは500円で株を買いました。
3ヶ月後、株価が800円に上昇(+60%)。
当初の売却目標は、「+50%で売る」でした。
感情が襲ってくる: 「お、目標達成!」
「でも…まだ上がりそうだな…」
「もう少し持てば、もっと儲かるんじゃないか?」
「+100%、いや、+200%いけるかも!」
感情に支配されると: → 売らずに保有継続
その後、何が起きたか:
4ヶ月後:750円(少し下がった)
5ヶ月後:650円(さらに下がった)
6ヶ月後:500円(購入価格まで戻った)
「まだ戻るはず…」と持ち続ける
1年後:350円(-30%)
結局、損失
もし、+60%の時点で売っていたら: +300円の利益
欲望が、利益を失わせた
瞬間3:後悔(Regret)
典型的なシーン:
あなたは、A社とB社で迷っていました。
最終的に、A社を選びました。
1ヶ月後:
- A社:500円 → 520円(+4%)
- B社:500円 → 700円(+40%)
感情が襲ってくる: 「なんでB社を買わなかったんだ…」
「40%も上がってる…」 「A社は4%しか上がってない…」
「失敗した…」 「今からでもB社に乗り換えよう!」
感情に支配されると: → A社を売って、B社を買う
その後、何が起きたか:
A社:520円 → 800円(+60%、売却後に上昇)
B社:700円(買値) → 600円(-14%、買った途端に下落)
もし、A社を持ち続けていたら: +60%の利益
後悔が、正しい選択を捨てさせた
瞬間4:興奮(Excitement)
典型的なシーン:
ニュースで話題の銘柄C社。
「画期的な新技術を開発!」 「株価が急騰中!」
感情が襲ってくる: 「すごい!これは買いだ!」
「乗り遅れたくない!」 「今買わないと、もう買えない!」
「急いで買わなきゃ!」
感情に支配されると: → 企業分析もせずに、すぐに購入 → 2,000円で購入(すでに高値)
その後、何が起きたか:
1週間後:1,800円(材料出尽くし)
1ヶ月後:1,500円
3ヶ月後:1,200円
冷静に分析していたら: 「これは高すぎる。買わない」 → 損失を回避
興奮が、高値掴みをさせた
瞬間5:希望(Hope)
典型的なシーン:
あなたは800円で株を買いました。
しかし、株価は下落を続けています。
1ヶ月後:700円(-12.5%)
2ヶ月後:600円(-25%)
3ヶ月後:500円(-37.5%)
感情が襲ってくる: 「いつか戻るはず…」 「まだ希望がある…」
「諦めたくない…」 「ここで売ったら、負けを認めることになる…」
「戻るまで持ち続けよう…」
感情に支配されると: → 損切りできない → 塩漬け株になる
その後、何が起きたか:
6ヶ月後:400円(-50%)
1年後:300円(-62.5%)
もし、-15%の時点で損切りしていたら: -120円の損失で済んだ
希望が、損失を拡大させた
感情が投資を破壊する6つの理由
なぜ、感情は投資の敵なのでしょうか?
理由1:感情は短期的
感情:
- 今、この瞬間の気持ち
- 昨日と今日で変わる
- 不安定
投資:
- 長期的な視点が必要
- 数ヶ月、数年のスパン
- 安定した判断
両者は相容れない
例:
- 今日:「この株、上がりそう!」(買う)
- 明日:「下がった!怖い!」(売る)
- 明後日:「また上がった!買い直そう!」(買う)
→ 感情に振り回される → 手数料と税金で損失 → 疲弊する
理由2:感情は極端
感情は、0か100か
- 恐怖:「もう終わりだ!」
- 欲望:「無限に上がる!」
- 後悔:「最悪の選択をした!」
- 興奮:「これは絶対に買いだ!」
- 希望:「必ず戻る!」
現実は、その間
- 株価は上下を繰り返す
- 完璧な選択はない
- ほとんどは「まあまあ」
感情的になると: → 極端な判断をする → ミスをする
理由3:感情は後追いする
感情は、遅れてやってくる
例:
株価500円:何も感じない
株価600円:「少し上がったな」
株価700円:「おっ、いい感じ」
株価800円:「すごい!買いたい!」← ここで感情が高まる
しかし、800円は高値
買った途端に下落
感情は、タイミングを逃させる
理由4:感情は一貫性がない
昨日の感情と、今日の感情は違う
例:
- 月曜:「この株、絶対上がる!」
- 火曜:「やっぱり下がりそう…売ろう」
- 水曜:「売らなきゃよかった…また買おう」
- 木曜:「また下がった…もう嫌だ」
投資には、一貫性が必要
- ルールを決める
- ルールを守る
- ブレない
感情的だと、ブレる
理由5:感情は群衆心理に従う
感情は、周りに影響される
例:
- みんなが買っている:「自分も買わなきゃ!」(高値掴み)
- みんなが売っている:「自分も売らなきゃ!」(安値売り)
投資で勝つには、群衆と逆を行く必要がある
- みんなが売っている時に買う
- みんなが買っている時に売る
感情的だと、群衆に従ってしまう
理由6:感情は自己正当化する
感情は、自分の判断を正当化する
例:
- 損をした時:「運が悪かった」「市場が悪い」
- 利益が出た時:「自分の実力だ」「正しい判断だった」
これは危険
理由:
- 失敗から学べない
- 同じミスを繰り返す
- 成長しない
感情を排除すれば:
- 失敗を客観的に分析できる
- 改善できる
- 成長できる
データで見る感情の影響
実際のデータを見てみましょう。
研究結果:感情的な投資家 vs 冷静な投資家
ある研究(2019年、米国):
感情的な投資家(頻繁に売買、感情で判断):
- 年間リターン:-3.5%(マイナス!)
- 取引回数:年間50回以上
- 手数料:年間10万円
- ストレスレベル:高
冷静な投資家(ルールに従う、感情を排除):
- 年間リターン:+8.2%
- 取引回数:年間5〜10回
- 手数料:年間5,000円
- ストレスレベル:低
差は歴然
研究結果:保有期間と成功率
別の研究(2020年、日本):
保有期間別の成功率(利益を出した人の割合):
| 保有期間 | 成功率 | 平均リターン |
|---|---|---|
| 1日以内 | 25% | -5% |
| 1週間以内 | 35% | -2% |
| 1ヶ月以内 | 45% | +1% |
| 3ヶ月以上 | 68% | +12% |
| 1年以上 | 78% | +22% |
保有期間が長いほど、成功率が高い
理由:
- 短期:感情的になりやすい
- 長期:感情が落ち着く
感情を排除する7つの方法
では、どうやって感情を排除するのでしょうか?
方法1:ルールを決める
明確なルールを作る
例:
買いルール:
1. 上場10年未満
2. 株価1,000円以下
3. 2ヶ月連続陽線
4. -2σまたは-3σからの反転
5. ビジネスモデル理解
売りルール:
1. +2σ到達
2. 2ヶ月連続陰線
3. -15%の損切りライン
ルールがあれば:
- 迷わない
- 感情が入らない
- 機械的に判断できる
方法2:月1回しかチェックしない
頻繁に見ると、感情的になる
- 毎日見る:一喜一憂する
- 週1回見る:やや感情的
- 月1回見る:冷静
株研メソッドは、月1回
理由:
- 短期の変動は無視
- 大きな流れだけを見る
- 感情が入らない
方法3:自動化する
できる限り、自動化する
例:
- アラート機能を使う
- 指値注文を予約しておく
- 自動売買(可能なら)
自動化のメリット:
- 感情が入らない
- 時間を節約できる
- ルール通りに実行される
方法4:記録をつける
投資日記をつける
記録する内容:
- 購入日、銘柄、価格、理由
- 売却日、価格、理由
- 結果(利益・損失)
- 反省点
記録のメリット:
- 客観的に振り返れる
- 感情的な判断を防げる
- 改善点が見える
方法5:損失を許容する
損失は、投資の一部
- 100%勝つことは不可能
- 70〜80%勝てれば十分
- 残り20〜30%は負ける
損失を恐れない
損失を恐れると:
- 損切りができない(希望)
- 塩漬け株が増える
- さらに損失が拡大
損失を許容すると:
- 冷静に損切りできる
- 次のチャンスに進める
- トータルで勝てる
方法6:本業に集中する
投資は副業
- 本業:店舗経営(または会社員)
- 副業:株式投資
本業を大切にする
本業が充実していれば:
- 株で多少損しても大丈夫
- 精神的余裕がある
- 冷静でいられる
本業がおろそかだと:
- 株に依存する
- 「何としても勝たなきゃ」
- 感情的になる
方法7:期待値で考える
確率論で考える
例:
勝率:70%
平均利益:+30%
平均損失:-10%
期待値:
70% × (+30%) + 30% × (-10%) = +21% - 3% = +18%
期待値がプラスなら、長期的に勝てる
だから:
- 個別の勝ち負けは気にしない
- トータルで見る
- 感情的にならない
感情をコントロールした成功例
私自身の経験を紹介します。
事例:S社への投資
2020年3月、コロナショック
保有していたS社:
- 購入価格:680円
- 現在価格:420円(-38%)
- 含み損:-260円
感情が襲ってきた: 「やばい…38%も下がってる…」
「コロナでどうなるか分からない…」 「売った方がいいんじゃないか…」
でも、冷静に考えた:
ルールを確認:
- 売却ルール:+2σ、または2ヶ月連続陰線
- 現状:まだ1ヶ月の陰線のみ
- → 売却条件を満たしていない
月足チャートを確認:
- まだ上昇トレンド内
- 一時的な調整の可能性
ビジネスモデルを確認:
- EC支援サービス
- コロナでEC需要は増えるはず
- むしろ、プラス材料
判断:保有継続
感情を排除し、ルールとデータで判断
その後:
2020年4月:520円(戻り始めた)
2020年5月:680円(購入価格まで回復)
2020年6月:850円
2020年8月:1,250円(+2σ到達)
売却:
- 売却価格:1,250円
- 利益:+570円(+83.8%)
もし、感情に従って420円で売っていたら:
- 損失:-260円(-38%)
感情を排除したことで、+83.8%の利益を得た
よくある質問
Q1:感情を完全に排除できる?
A:完全には無理です。人間だから。
でも:
- 感情を認識する
- 感情に支配されない
- ルールに従う
これはできます。
Q2:感情的になった時、どうすれば?
A:一旦、何もしない。
具体的に:
- 深呼吸(10回)
- その場を離れる(散歩など)
- 一晩寝る
- 翌日、冷静に判断
感情的な時の判断は、100%間違っている
Q3:ルールが厳しすぎて、守れない…
A:最初は、緩めでもOK。
例:
- 最初:「+50%で売る」
- 慣れたら:「+2σで売る」
段階的に、ルールを厳格にしていく。
大切なのは:
- ルールを持つこと
- ルールを守ろうとすること
Q4:感情的な方が、楽しくない?
A:楽しいけど、負けます。
投資の目的:
- 楽しむこと?
- 利益を出すこと?
もし「楽しむこと」なら:
- 感情的にやってもOK
- でも、お金は減る
- 娯楽費と割り切る
もし「利益を出すこと」なら:
- 感情を排除する
- つまらないけど、勝てる
どちらを選ぶかは、あなた次第
まとめ:機械のように、人間らしく
今日の重要ポイント
- 感情が投資を破壊する5つの瞬間
- 恐怖:利益を奪う
- 欲望:利益を失わせる
- 後悔:正しい選択を捨てさせる
- 興奮:高値掴みをさせる
- 希望:損失を拡大させる
- 感情が投資の敵な6つの理由
- 短期的
- 極端
- 後追いする
- 一貫性がない
- 群衆心理に従う
- 自己正当化する
- データが証明
- 感情的な投資家:年間-3.5%
- 冷静な投資家:年間+8.2%
- 保有期間が長いほど成功率が高い
- 感情を排除する7つの方法
- ルールを決める
- 月1回しかチェックしない
- 自動化する
- 記録をつける
- 損失を許容する
- 本業に集中する
- 期待値で考える
- 成功例
- 感情を排除し、ルールに従った
- -38%の含み損に耐えた
- 結果:+83.8%の利益
実践のためのアドバイス
今日から始めること:
□ 売買ルールを紙に書く
□ 「感情で判断しない」と宣言する
□ 証券アプリをスマホから削除
□ 月1回チェックをカレンダーに登録
□ 投資日記を始める
□ 「損失は投資の一部」と受け入れる
□ 本業を大切にする
最後に:機械のように、人間らしく
矛盾した表現ですが、これが投資の真実です。
投資判断は、機械のように:
- 感情を排除
- ルールに従う
- 一貫性を持つ
- データで判断
でも、人生は人間らしく:
- 家族を大切に
- 本業を楽しむ
- 趣味を持つ
- 人生を楽しむ
投資は、人生を豊かにするツール
投資そのものが目的ではありません。
感情を排除するのは、投資においてだけ。
人生では、感情を大切に。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだり。
それが人間です。
でも、投資の時だけは、機械になりましょう。
それが、勝つための唯一の方法です。
今日のポイント:
- 感情は投資の最大の敵
- 恐怖・欲望・後悔・興奮・希望が判断を狂わす
- データで証明:感情的な投資家は負ける
- ルールを決めて厳格に守る
- 月1回チェックで感情を排除
- 損失を許容し、期待値で考える
- 投資判断は機械のように、人生は人間らしく

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