リスク計算機で安全な投資額を決める方法
こんにちは!今日は、多くの投資家が悩む
「いくら投資すればいいのか?」という問題について、
具体的な計算方法をお教えします。
「100万円持っているけど、全額投資していいの?」
「一つの銘柄に、いくらまで投資していいの?」
「損失が出たら、どこまで許容できる?」
これらの疑問に、数字で明確に答えられるようになります。
なぜリスク管理が重要なのか?
よくある失敗パターン
失敗例1:全額投資して身動きが取れない
Aさん(30代男性):
- 貯金:200万円
- 全額を1つの銘柄に投資
- 購入価格:1,000円
1ヶ月後:
- 株価:800円に下落(-20%)
- 含み損:-40万円
このタイミングで、もっと良い銘柄を発見:
- でも、買う資金がない
- 損切りするには、損失が大きすぎる
- 身動きが取れない
失敗例2:借金して投資
Bさん(40代男性):
- 貯金:50万円
- 「もっと儲けたい」と消費者金融で150万円借りる
- 合計200万円を投資
株価が下落:
- 含み損:-60万円
- 借金の返済もある
- 精神的に追い詰められる
- 最悪、破産
失敗例3:生活費まで投資
Cさん(50代女性):
- 貯金:300万円
- 「株で増やそう」と250万円を投資
- 残り50万円で生活
突然の出費:
- 車の修理:30万円
- 医療費:20万円
- 生活費が足りない!
株を売却:
- でも、含み損の状態
- 損失確定
これらの失敗に共通すること
リスク管理ができていない
- いくら投資していいか、分かっていない
- 損失の許容額を決めていない
- 余剰資金と生活資金の区別ができていない
リスク管理の基本原則
まず、投資における基本的な原則を確認しましょう。
原則1:失っても困らないお金だけを投資する
投資してはいけないお金:
❌ 生活費
❌ 緊急時用の貯金
❌ 教育費
❌ 住宅ローンの返済資金
❌ 借金
投資していいお金:
✅ 余剰資金
✅ 1年以上使う予定のないお金
✅ 最悪失っても、生活に支障がないお金
原則2:分散投資
1つの銘柄に全資金を投入しない
理由:
- その銘柄が暴落したら、全てを失う
- 機会損失(他の良い銘柄を買えない)
- 精神的プレッシャー
原則3:段階的に投資
一度に全額投資しない
理由:
- 市場が暴落する可能性がある
- より良い買い場が来るかもしれない
- 経験を積みながら増やす方が安全
リスク許容度の計算
では、具体的に「いくら投資していいか」を計算してみましょう。
ステップ1:総資産を把握する
まず、自分の総資産を洗い出します。
資産項目:
- 銀行預金
- 現金
- 証券口座の現金
- すでに保有している株
- その他の金融資産
負債項目:
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- クレジットカードの残高
- その他の借金
純資産の計算:
純資産 = 総資産 - 総負債
例:
総資産:
- 銀行預金:500万円
- 現金:30万円
- 証券口座:20万円
合計:550万円
総負債:
- 住宅ローン:2,000万円
- 自動車ローン:100万円
合計:2,100万円
純資産:550万円 - 2,100万円 = -1,550万円
この場合、純資産がマイナスなので、投資は慎重にすべきです。
ステップ2:生活防衛資金を確保
生活防衛資金とは: 最低限の生活を維持するために、確保しておくべきお金
計算式:
生活防衛資金 = 月間生活費 × 6ヶ月分
例:
月間生活費:30万円
生活防衛資金:30万円 × 6ヶ月 = 180万円
この180万円は、絶対に投資してはいけません。
ステップ3:近い将来の出費を確保
1〜2年以内に予定している出費:
- 車の買い替え
- 旅行
- 結婚式
- 引っ越し
- 家電の買い替え
これらの資金も、投資してはいけません。
例:
- 1年後に車を買い替え予定:200万円
- 確保すべき金額:200万円
ステップ4:投資可能額を計算
投資可能額 = 総資産 - 生活防衛資金 - 近い将来の出費
例:
総資産:550万円
生活防衛資金:180万円
近い将来の出費:200万円
投資可能額 = 550万円 - 180万円 - 200万円 = 170万円
この170万円が、あなたが投資していい金額です。
投資金額の配分ルール
投資可能額が分かったら、次はその配分方法です。
ルール1:初期投資は50%まで
投資可能額の50%だけを、最初に投資する
理由:
- 市場が暴落するかもしれない
- より良い買い場が来るかもしれない
- 経験を積むため
例:
投資可能額:170万円
初期投資額:170万円 × 50% = 85万円
最初は、85万円だけを投資します。
ルール2:1銘柄あたりの上限
1つの銘柄には、投資資金の25%まで
理由:
- 分散投資によるリスク軽減
- 1銘柄が暴落しても、被害は限定的
例:
初期投資額:85万円
1銘柄あたりの上限:85万円 × 25% = 21.25万円
1つの銘柄には、最大21万円まで投資します。
つまり、最低でも4銘柄に分散することになります。
ルール3:段階的に増やす
最初の3ヶ月:
- 投資額:85万円(投資可能額の50%)
- 様子を見る
3ヶ月後、うまくいっている場合:
- 追加投資:42.5万円(投資可能額の25%)
- 合計:127.5万円(投資可能額の75%)
6ヶ月後、さらにうまくいっている場合:
- 追加投資:42.5万円(投資可能額の25%)
- 合計:170万円(投資可能額の100%)
もしうまくいっていない場合:
- 追加投資はしない
- 原因を分析する
- 方法を見直す
損失許容額の計算
次に、「どこまでの損失なら耐えられるか」を計算します。
1銘柄あたりの損失許容額
推奨:投資額の20%まで
例:
1銘柄への投資額:20万円
損失許容額:20万円 × 20% = 4万円
株価が20%下落したら、損切りを検討します。
ポートフォリオ全体の損失許容額
推奨:総投資額の30%まで
例:
総投資額:85万円
損失許容額:85万円 × 30% = 25.5万円
ポートフォリオ全体で25万円の損失が出たら、投資を一時停止して見直します。
損失シミュレーション
実際にどれくらいの損失が出る可能性があるか、シミュレーションしてみましょう。
シナリオ1:1銘柄が30%下落
投資配分:
- A社:20万円(30%下落)→ 14万円(-6万円)
- B社:20万円(変わらず)→ 20万円
- C社:20万円(変わらず)→ 20万円
- D社:20万円(変わらず)→ 20万円
合計:80万円(元本85万円)
損失:-5万円(-5.9%)
1銘柄が大きく下がっても、全体では約6%の損失で済みます。
シナリオ2:全銘柄が15%下落(市場全体の暴落)
投資配分:
- A社:20万円(15%下落)→ 17万円(-3万円)
- B社:20万円(15%下落)→ 17万円(-3万円)
- C社:20万円(15%下落)→ 17万円(-3万円)
- D社:20万円(15%下落)→ 17万円(-3万円)
合計:68万円(元本80万円)
損失:-12万円(-15%)
市場全体が暴落しても、15%の損失。
投資可能額170万円に対しては、約7%の損失です。
これなら、精神的にも耐えられる範囲ですよね。
Excelでリスク計算機を作る
では、実際にExcelでリスク計算機を作ってみましょう。
シート1:資産状況の整理
項目と計算式:
| 項目 | セル | 入力・計算式 |
|---|---|---|
| 資産 | ||
| 銀行預金 | B2 | 5000000 |
| 現金 | B3 | 300000 |
| 証券口座 | B4 | 200000 |
| その他 | B5 | 0 |
| 資産合計 | B6 | =SUM(B2:B5) |
| 負債 | ||
| 住宅ローン | B8 | 20000000 |
| 自動車ローン | B9 | 1000000 |
| その他借入 | B10 | 0 |
| 負債合計 | B11 | =SUM(B8:B10) |
| 純資産 | ||
| 純資産 | B13 | =B6-B11 |
シート2:投資可能額の計算
| 項目 | セル | 入力・計算式 |
|---|---|---|
| 総資産(預金など) | B2 | =シート1!B6 |
| 月間生活費 | B3 | 300000 |
| 生活防衛資金(6ヶ月分) | B4 | =B3*6 |
| 近い将来の出費 | B5 | 2000000 |
| 投資可能額 | B6 | =B2-B4-B5 |
| 初期投資推奨額(50%) | B7 | =B6*0.5 |
| 1銘柄あたりの上限(25%) | B8 | =B7*0.25 |
シート3:リスク許容度の計算
| 項目 | セル | 入力・計算式 |
|---|---|---|
| 投資額 | B2 | 850000 |
| 1銘柄あたりの損失許容率 | B3 | 20% |
| 1銘柄あたりの損失許容額 | B4 | =B2/4*B3 |
| ポートフォリオの損失許容率 | B5 | 30% |
| ポートフォリオの損失許容額 | B6 | =B2*B5 |
シート4:損失シミュレーション
4銘柄の分散投資をシミュレーション:
| 銘柄 | 投資額 | 下落率 | 評価額 | 損失 |
|---|---|---|---|---|
| A社 | 200000 | -30% | =B2*(1+C2/100) | =D2-B2 |
| B社 | 200000 | 0% | =B3*(1+C3/100) | =D3-B3 |
| C社 | 200000 | 0% | =B4*(1+C4/100) | =D4-B4 |
| D社 | 200000 | 0% | =B5*(1+C5/100) | =D5-B5 |
| 合計 | =SUM(B2:B5) | =SUM(D2:D5) | =SUM(E2:E5) | |
| 損失率 | =(E6/B6)*100 |
下落率を変えることで、様々なシナリオをシミュレーションできます。
シート5:目標リターンと許容リスク
目標設定:
| 項目 | セル | 入力 |
|---|---|---|
| 投資額 | B2 | 850000 |
| 目標年利 | B3 | 20% |
| 目標リターン額 | B4 | =B2*B3 |
| 許容損失率 | B5 | -30% |
| 許容損失額 | B6 | =B2*B5 |
| リスク・リターン比率 | B7 | =B4/ABS(B6) |
リスク・リターン比率:
- 1未満:リスクが高すぎる
- 1以上:許容範囲
- 2以上:理想的
実践例:ケーススタディ
ケース1:投資初心者(30代、独身)
資産状況:
- 銀行預金:300万円
- 月間生活費:20万円
- 近い将来の出費:50万円(旅行など)
計算:
総資産:300万円
生活防衛資金:20万円 × 6 = 120万円
近い将来の出費:50万円
投資可能額 = 300万円 - 120万円 - 50万円 = 130万円
初期投資額 = 130万円 × 50% = 65万円
推奨ポートフォリオ:
- A銘柄:16万円
- B銘柄:16万円
- C銘柄:16万円
- D銘柄:16万円
- 現金:1万円(手数料予備)
損失許容額:
- 1銘柄あたり:3.2万円(20%下落)
- ポートフォリオ全体:19.5万円(30%下落)
ケース2:中堅投資家(40代、既婚・子供あり)
資産状況:
- 銀行預金:800万円
- 月間生活費:40万円
- 近い将来の出費:300万円(教育費など)
計算:
総資産:800万円
生活防衛資金:40万円 × 6 = 240万円
近い将来の出費:300万円
投資可能額 = 800万円 - 240万円 - 300万円 = 260万円
初期投資額 = 260万円 × 50% = 130万円
推奨ポートフォリオ:
- A銘柄:30万円
- B銘柄:30万円
- C銘柄:30万円
- D銘柄:30万円
- 現金:10万円(機動的に使える資金)
損失許容額:
- 1銘柄あたり:6万円(20%下落)
- ポートフォリオ全体:39万円(30%下落)
ケース3:リスクを取れる投資家(50代、子供独立済み)
資産状況:
- 銀行預金:1,500万円
- 月間生活費:30万円
- 近い将来の出費:200万円(リフォームなど)
計算:
総資産:1,500万円
生活防衛資金:30万円 × 6 = 180万円
近い将来の出費:200万円
投資可能額 = 1,500万円 - 180万円 - 200万円 = 1,120万円
初期投資額 = 1,120万円 × 50% = 560万円
推奨ポートフォリオ:
- A銘柄:140万円
- B銘柄:140万円
- C銘柄:140万円
- D銘柄:140万円
損失許容額:
- 1銘柄あたり:28万円(20%下落)
- ポートフォリオ全体:168万円(30%下落)
よくある質問
Q1:生活防衛資金は3ヶ月分ではダメ?
A:最低6ヶ月分を推奨します。
理由:
- 突然の失業
- 病気や怪我
- 予期せぬ出費
これらに対応するには、3ヶ月では足りない場合が多いです。
自営業や不安定な職業の方は、12ヶ月分を確保すべきです。
Q2:借金があっても投資していい?
A:借金の種類によります。
投資してもいい借金:
✅ 住宅ローン(低金利) ✅ 奨学金(低金利)
投資してはいけない借金:
❌ 消費者金融(高金利)
❌ クレジットカードのリボ払い(超高金利)
❌ 自動車ローン(金利による)
高金利の借金がある場合は、まず返済が最優先です。
Q3:投資可能額がゼロになった場合は?
A:今は投資する時期ではありません。
やるべきこと:
- 貯金を増やす
- 生活防衛資金を確保する
- 近い将来の出費を準備する
- それらが完了したら、投資を開始
焦って投資する必要はありません。
Q4:初期投資50%のルールは絶対?
A:初心者は必ず守ってください。経験者は自己判断でOKです。
初心者が守るべき理由:
- 市場の動きに慣れていない
- 感情のコントロールが難しい
- 損失に対する耐性が低い
経験を積んだら、70%、80%と増やしてもOKです。
まとめ:安全第一で、着実に
今日の重要ポイント
- 投資可能額の計算
- 総資産 – 生活防衛資金 – 近い将来の出費
- 失っても困らないお金だけを投資
- 配分ルール
- 初期投資は投資可能額の50%まで
- 1銘柄は投資資金の25%まで
- 段階的に増やす
- 損失許容額
- 1銘柄あたり20%まで
- ポートフォリオ全体で30%まで
- これを超えたら見直し
- Excelでリスク計算機を作る
- 資産状況の整理
- 投資可能額の計算
- リスク許容度の計算
- 損失シミュレーション
- ケースバイケースで調整
- 年齢、家族構成、職業による
- 自分に合ったリスク許容度を設定
実践のためのチェックリスト
投資を始める前に、このチェックリストを確認:
□ 生活防衛資金は確保した?
□ 近い将来の出費は確保した?
□ 投資可能額を正しく計算した?
□ 初期投資は50%以内?
□ 1銘柄への投資は25%以内?
□ 損失許容額を決めた?
□ Excelで計算機を作った?
最後に:守りを固めてから攻める
投資は、守り(リスク管理)が8割、攻め(リターン追求)が2割です。
多くの初心者は、攻めばかり考えます:
- 「どの銘柄が上がるか?」
- 「いくら儲かるか?」
でも、本当に大切なのは守りです:
- 「いくらまで投資していいか?」
- 「どれだけの損失なら耐えられるか?」
守りを固めてから、攻める。
これが、長期的に勝ち続ける投資家の姿勢です。
今日学んだリスク計算を使って、
あなたも安全な投資額を計算してみてください。
そして、その範囲内で、株研メソッドを実践していきましょう!
今日のポイント:
- 投資可能額 = 総資産 – 生活防衛資金 – 近い将来の出費
- 初期投資は投資可能額の50%まで
- 1銘柄は投資資金の25%まで
- 損失許容額を事前に決める
- Excelで計算機を作る
- 守りを固めてから攻める

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