みなさんこんにちは。ニュースでよく耳にする「GDP」という言葉。
実は私たちの暮らしと深い関係がある大切な経済指標なのです。
今回は、この「GDP(国内総生産)」について、分かりやすく解説していきます。
本記事の目次
GDPって何を表しているの?
GDPは、ある国の経済力を表す「通信簿」のようなものです。
1年間にその国で生み出された商品やサービスの価値を、全部お金に換算して合計した金額です。
例えば、パン屋さんがパンを作って売る、美容院が髪をカットする、
建設会社が建物を建てる、先生が学校で授業をする。
こういった活動で生み出される価値を全部足し合わせたものが GDPなのです。
日本のGDPはどのくらい?
日本のGDPは約550兆円(2023年時点)です。
とても大きな数字ですね。
これは世界で3番目に大きな規模です。
ただし、数字が大きいからといって、私たち一人一人が豊かというわけではありません。
国の人口で割った「一人当たりGDP」という指標もよく使われます。
これで見ると、日本は世界の中では上位にいますが、
シンガポールやスイスなど、人口の少ない豊かな国々と比べるとやや低めとなっています。
GDPが増えるとどうなるの?
GDPが増えることを「経済成長」と呼びます。
企業の売り上げが増え、新しい工場ができたり、お店が開店したりする。
そうすると雇用が増えて、人々の給料も上がりやすくなります。
例えば、町に新しいショッピングモールができると、
建設作業員さんの仕事が生まれ、完成後は店員さんの雇用も増えます。
お客さんがたくさん買い物をすれば、その売上もGDPに加わります。
GDPが減るとどうなるの?
反対にGDPが減ることを「景気後退」と呼びます。
会社の業績が悪くなり、工場が閉鎖されたり、お店が閉店したりすることが増えます。
すると失業が増えたり、給料が下がったりする可能性が高くなります。
例えば、大きな会社が工場を閉鎖すると、そこで働いていた人が仕事を失うだけでなく、
その工場に部品を納めていた地元の中小企業や、
従業員が利用していた近くの飲食店なども影響を受けます。
GDPの中身を見てみよう
GDPは大きく分けて4つの要素で構成されています。
第一は「消費」です。私たちが日々買い物をしたり、サービスを利用したりする支出です。
食事をしたり、服を買ったり、映画を見に行ったりする支出が含まれます。
GDPの半分以上を占める最も大きな要素です。
第二は「投資」です。企業が工場や機械を新設したり、住宅を建てたりする支出です。
将来のための投資は、経済の成長力を高める重要な要素となります。
第三は「政府支出」です。
道路や学校を建設したり、
公務員の給料を支払ったり、年金を給付したりする政府の支出です。
第四は「輸出から輸入を引いた純輸出」です。
外国との取引の収支を表します。
トヨタの車を外国に売った分はプラス、外国から石油を買った分はマイナスとなります。
私たちの暮らしとGDPの関係
GDPの動きは、私たちの暮らしに大きく影響します。
GDPが増えると、一般的に雇用が増え、給料も上がりやすくなります。
会社の業績が良くなれば、ボーナスも期待できます。
反対にGDPが減ると、雇用が減って給料が上がりにくくなります。
会社の経営が苦しくなれば、リストラや給料カットの可能性も出てきます。
世界の中の日本のGDP
かつて日本のGDPは急速に成長し、1980年代には「Japan as No.1」と呼ばれるほどでした。
しかし、1990年代以降は成長が鈍化し、現在は中国にも追い抜かれています。
ただし、GDPの大きさだけが重要なわけではありません。
生活の質や社会の安定性、環境への配慮なども、国の豊かさを測る大切な要素です。
日本は、そういった面では世界でもトップクラスの評価を受けています。
まとめ:GDPの先にあるもの
GDPは国の経済力を知る重要な指標ですが、
これだけで国の豊かさのすべてが分かるわけではありません。
ボランティア活動や家事労働など、お金に換算されない価値ある活動もたくさんあります。
また、経済成長一辺倒ではなく、環境との調和や生活の質の向上など、
バランスの取れた発展を目指すことが大切です。
GDPという数字の意味を理解しながら、より良い社会を作っていく視点を持ちたいものです。
【リスク開示】
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資は自己責任で行いますようお願いいたします。
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