はじめに – 欲張りは投資の大敵
「最安値で買って、最高値で売りたい!」
誰もがそう思いますよね。
でも、ハワード・ジョイマン氏はこう言います:
「最安値で買おうと思わない、そして最高値で売ろうと思わない」
「え?じゃあどうやって儲けるの?」と思うかもしれません。
実は、そこに株式投資で成功する
最も重要な考え方が隠されているんです。
それが、「魚の頭と尻尾はくれてやれ」という格言です。
今日は、この格言の本当の意味と、
なぜこれが株研メソッドの核心なのかを詳しく解説します。
「魚の頭と尻尾はくれてやれ」とは
格言の由来
この格言は、江戸時代から伝わる日本の相場格言です。
【魚を3つに分けると】
頭の部分 ━━━━━ ← 最初の上昇
胴体の部分 ━━━━━━━━━━ ← 安定した上昇
尻尾の部分 ━━━━━ ← 最後の上昇
意味:
- 頭(最安値付近)= 機関投資家のもの
- 尻尾(最高値付近)= 機関投資家のもの
- 胴体(中間部分)= 私たち個人投資家のもの
なぜ「くれてやる」のか
ハワード氏の説明:
「最安値で買えないし、最高値でも売れないんです。
それを覚えといてください」
理由は明確です:
- 最安値は後から分かる
- 今が最安値かどうか誰にも分からない
- 過去を振り返って初めて「あそこが最安値だった」と分かる
- 最高値も後から分かる
- 今が最高値かどうか誰にも分からない
- 売った後に「あそこが最高値だった」と分かる
- 欲張ると機会を逃す
- 最安値を待つ → もっと下がるかも → 結局買えない
- 最高値を待つ → もっと上がるかも → 結局売れない
具体例で理解する:200円→1200円の株
ハワード氏の講義から
講義で使われた分かりやすい例を見てみましょう。
【ある銘柄の値動き】
最安値:200円
↓
上昇中:400円、600円、800円、1000円
↓
最高値:1200円
この銘柄で、最大利益は1000円(1200円 – 200円)です。
完璧主義者の場合(失敗パターン)
パターンA:最安値で買おうとする人
株価200円
「まだ下がるかも...」
↓
株価250円
「やっぱり上がった。でももう少し待てば下がるかも」
↓
株価400円
「うわ、上がっちゃった...」
↓
株価600円
「もう買えない...」
↓
結果:買えずに終わる
パターンB:最高値で売ろうとする人
株価1000円(保有中)
「まだ上がるかも...」
↓
株価1200円
「よし、もっと上がる!」
↓
株価1000円に下落
「あれ?また上がるかも」
↓
株価800円に下落
「うわ、下がってる...売れない」
↓
結果:利益が減るか損失
株研メソッド実践者の場合(成功パターン)
ハワード氏の教え:
「例えば1000円上昇するとしても、
最初の200円、要は最安値が200円だとする、
その銘柄が1200円まで上がったとする。
だから1000円の差額、200から1200円まで上昇したとします。
1000円上昇しました。でも、個人投資家は、
それが最安値だったかどうかなんてわかんないし、
それが最高値かどうかもわかんない」
実際の売買:
【買い】
最安値:200円 ← ここでは買わない(分からないから)
↓
2ヶ月連続陽線確認:400円付近
↓
実際に買う:400円 ← ここで買う!
【売り】
最高値:1200円 ← ここでは売らない(分からないから)
↓
+2σタッチ後の下落確認:1000円付近
↓
実際に売る:1000円 ← ここで売る!
【結果】
利益:600円(1000円 - 400円)
最大利益の60%を獲得!
ハワード氏の解説:
「頭と魚の頭と尻尾はくれてやれってどういうことかっていうと、
200円から値上がりして400円ぐらいの時に買って、
1200円から下がって1000円ぐらいの時で売る。
つまり、残りの600円の利益を取る。
つまり、おこぼれをもらうっていうのはそういうことですよ」
なぜ最安値で買えないのか
理由1:リアルタイムでは判断不可能
過去チャートを見る場合:
「ここが最安値だったね」
「ここで買えばよかったね」
← これは後から見るから分かる
リアルタイムの場合:
株価500円
「これが最安値?」
「それともまだ下がる?」
← 全く分からない!
ハワード氏の指摘:
「最安値かどうかなんていうのは、過去を振り返ってみるから
『あ、あの時のここが最安値だったね』って分かるんですけど、
そのリアルタイムでいつが最安値かなんか分かるわけないじゃないですか」
理由2:下がり続ける恐怖
実際の投資では、こんな心理が働きます:
【株価の推移】
800円 → 「ちょっと高いな」
700円 → 「もう少し下がりそう」
600円 → 「まだ下がるかも」
500円 → 「やばい、どこまで下がる?」
400円 → 「怖くて買えない...」
300円 → 「もう触りたくない」
↓
その後、800円まで回復
↓
「あの時買っておけば...」
人間の心理:
- 下がっている時 = 怖くて買えない
- 上がっている時 = 安心して買える
- でも、上がっている時に買うと遅い
理由3:本当の底は一瞬
株価の底は、一瞬だけです。
【月足チャートで見た底値】
2023年1月:300円 ← 最安値
2023年2月:350円
2023年3月:400円
↓
でも実際は...
【日足で見ると】
1月の中でも、最安値の300円は1日だけ
他の日は320円、330円、340円...
つまり: 最安値で買うには、その1日のその時間に買う必要がある。
現実的に不可能です。
なぜ最高値で売れないのか
理由1:欲が出てしまう
人間の心理:
含み益+10% → 「もっと上がるかも」
含み益+20% → 「まだ上がりそう」
含み益+30% → 「絶対もっと上がる!」
含み益+20%に下落 → 「また上がるはず...」
含み益+10%に下落 → 「売るのは損した気分...」
含み益±0%に → 「なんで売らなかったんだ!」
ハワード氏の教え:
「株ってよく言われますけども、『遅れて株価が上がった後、悲惨』」
理由2:天井は突然来る
最高値は、予告なく突然来ます。
【典型的なパターン】
株価が順調に上昇中
1000円 → 1100円 → 1200円 → 1250円
↓
「まだ上がる!1500円は行く!」
↓
翌日、悪材料なしに急落
1250円 → 1100円
↓
「なんで!?」
↓
あれが最高値だった...
理由3:売り時を逃す
最高値を狙うと、こうなります:
株価1200円
「もっと上がるから売らない」
↓
株価1150円
「すぐ戻るはず」
↓
株価1000円
「ここまで下がったら売れない」
↓
株価800円
「損したくないから保有」
↓
塩漬け株に...
「おこぼれをもらう」という発想
機関投資家の取り分
市場の現実:
【株価の推移:200円 → 1200円】
頭の部分(200円 → 400円)
= 機関投資家の仕込み
= 誰も注目していない時期
= 200円の利益
胴体の部分(400円 → 1000円)
= 私たち個人投資家の部分
= 上昇トレンドに乗る時期
= 600円の利益 ← これをもらう!
尻尾の部分(1000円 → 1200円)
= 機関投資家の売り抜け
= みんなが注目している時期
= 200円の利益
ハワード氏の言葉:
「そのおこぼれっていうのは、
市場っていうのはもう何十兆円市場なので、
普通に毎月50万円から100万円の利益を取るってことは全然可能なわけです」
60%でも十分
考え方の転換:
最大利益:1000円(100%)
私たちの利益:600円(60%)
← 十分すぎる利益!
投資額別のリターン:
【100万円投資の場合】
完璧主義(最安値→最高値)
理論上:500万円(+400万円)
現実:買えない、売れない → 0円
株研メソッド(おこぼれ)
現実的:300万円(+200万円)
確実に達成可能
どちらが良いか、明白ですよね。
株研メソッドでの実践方法
ステップ1:最安値は諦める
やること:
- 過去最安値を確認(参考程度)
- 2ヶ月連続陽線を待つ
- 上昇トレンド確認後に買う
やらないこと:
- 底値を予想しない
- 下がっている途中で買わない
- 「そろそろ底だろう」という感覚で買わない
ステップ2:買いのタイミング
株研メソッドの買い方:
1. 月足チャートで-2σ、-3σタッチを確認
↓
2. 2ヶ月連続陽線が出るのを待つ
↓
3. 2ヶ月連続陽線が出た時、まだ-1σあたり
↓
4. 3ヶ月目の最初に買う
ハワード氏の説明:
「その上昇傾向に入った。
だからそういう上昇傾向に入ったのを確認してから、
特に初期の頃はほとんど週足とか見てないです」
ステップ3:保有中の心構え
買った後は:
✅ 月に1回だけチェック
✅ 日々の値動きは無視
✅ 本業に集中
✅ +2σを目安に待つ
やってはいけないこと:
❌ 毎日チャートを見る
❌ 少し上がったら利確
❌ 少し下がったら狼狽売り
❌ 他人の意見に左右される
ハワード氏の教え:
「1日、2日で売買しているかっていうと、してないですよね。
年単位ですよ」
ステップ4:売りのタイミング
株研メソッドの売り方:
【パターン1】
+2σまたは+3σにタッチ
↓
陰線が出た
↓
売却
【パターン2】
2ヶ月連続陰線
↓
下落トレンド開始のサイン
↓
売却
【パターン3】
目標価格到達
↓
機械的に売却
(例:1000円で買って2000円で売る)
ステップ5:最高値は諦める
心構え:
「売った後に上がっても気にしない」
実例:
あなた:1000円で売却
↓
その後、1200円まで上昇
↓
「200円損した!」← この考え方はNG
正しい考え方:
「600円の利益を確実に取れた」
「最高値は機関投資家にあげる」
「次の銘柄を探そう」
「魚の頭と尻尾」の実例
実例1:シャープ株
ハワード氏の講義で紹介された例:
【シャープ 月足チャート】
最安値:521円(2021年8月)
↓
2ヶ月連続陽線:550円付近
↓
株研メソッドでの買い:550円
↓
最高値:1880円(2022年12月)
↓
株研メソッドでの売り:1700円
【結果】
魚の頭:521円 → 550円(29円)← 機関投資家
魚の胴体:550円 → 1700円(1150円)← 私たち!
魚の尻尾:1700円 → 1880円(180円)← 機関投資家
利益:1150円
最大利益(1359円)の85%を獲得!
実例2:楽天グループ
【楽天グループ 月足チャート】
最安値:約800円
↓
2ヶ月連続陽線:850円付近
↓
株研メソッドでの買い:850円
↓
+2σタッチ:1400円
↓
株研メソッドでの売り:1350円
【結果】
魚の頭:800円 → 850円(50円)← 機関投資家
魚の胴体:850円 → 1350円(500円)← 私たち!
魚の尻尾:1350円 → 1400円(50円)← 機関投資家
利益:500円
確実に取れた!
ハワード氏のコメント:
「着実に取れる。よろしいでしょうか」
よくある質問:頭と尻尾への未練
Q1: でも最安値で買えたらもっと儲かるのに…
A: その「もっと」が投資を失敗させます。
現実:
【最安値狙い】
成功確率:5%以下
失敗時:買えずに終わる
【株研メソッド(おこぼれ)】
成功確率:80%以上
失敗時:損失は限定的
ハワード氏の言葉:
「最安値で買おうと思わないこと、で最高値で売ろうと思わないこと」
Q2: 売った後に上がるのを見るのが辛い
A: それは「成功の証」です。
考え方:
売却後に上昇 = 良いタイミングで売れた証拠
なぜなら:
- 最高値「前」に売れた
- まだ上昇余地がある段階
- = 次の人も儲けられる
- = 適正なタイミング
悪いパターン:
売却後に下落 = 売るのが遅すぎた
↓
もう少し早く売るべきだった
Q3: 他の人はもっと儲けてるのに…
A: 比較することに意味はありません。
大切なこと:
他人の利益:気にしない
自分の利益:確実に積み上げる
年利20-30%でも十分すぎる
10年で資産は5-10倍
ハワード氏のメッセージ:
「普通に毎月50万円から100万円の利益だったら出すことはできます」
心理的な罠を克服する方法
罠1:完璧主義
症状: 「最安値で買って最高値で売らないと損した気分」
対策:
- 60%の利益で十分と認識
- 完璧主義は投資の敵
- 「おこぼれをもらう」と唱える
罠2:後悔の念
症状: 「あの時買っておけば」「あの時売っておけば」
対策:
- 過去は変えられない
- 次のチャンスに集中
- 株ノートで学びを記録
罠3:欲望の肥大化
症状: 「もっと儲けたい」「もっと上がるはず」
対策:
- 目標利益を事前に決める
- 機械的に売買
- ルールを守る
ハワード氏の警告:
「取引の回数って増えれば増えるほど負ける可能性が高くなる」
まとめ – 謙虚さが成功への道
「魚の頭と尻尾はくれてやれ」の本質
この格言が教えてくれること:
- 完璧を求めない
- 最安値で買えなくていい
- 最高値で売れなくていい
- 確実性を重視
- 60%でも確実に取る
- 100%を狙って0%になるより良い
- 謙虚な姿勢
- 機関投資家には勝てない
- おこぼれで十分
- それでも毎月50-100万円の利益
- 感情をコントロール
- 欲張らない
- 後悔しない
- 次に集中
ハワード氏の教え(まとめ)
「魚の頭と尻尾はくれてやれってのは、
その最安値から少し上がったところで買って、
最高値から少し下がったところで
600円の利益を取れれば万々歳だよっていうことです」
「そのおこぼれをもらうっていうのは、そういうことですよ」
あなたがすべきこと
今日から実践:
□ 最安値で買おうとしない
□ 最高値で売ろうとしない
□ 2ヶ月連続陽線を待つ
□ ボリンジャーバンドで判断
□ 機械的に売買
□ 感情を入れない
□ 月に1回だけチェック
心に刻む言葉:
「魚の頭と尻尾はくれてやれ」
「おこぼれで十分」
「確実性が最優先」
次のステップ
この格言の意味を理解したら、
次は具体的な実践方法を学びましょう。
覚えておいてほしいこと:
株式投資は、 完璧を目指すゲームではありません。
確実に利益を積み上げるゲームです。
謙虚に、着実に、 魚の美味しい胴体部分を いただきましょう。
【重要】この記事のポイント
✅ 最安値で買おうとしない
✅ 最高値で売ろうとしない
✅ 「魚の頭と尻尾はくれてやれ」= 中間の60%で十分
✅ 完璧主義は投資の敵
✅ 機関投資家のおこぼれをもらう
✅ 確実性を最優先
✅ それでも月50-100万円の利益は可能
投資は自己責任で行いましょう。
この記事は教育目的であり、
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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