「株を買ったらずっと持っておけばいいの?」――初心者の方からよく聞かれる質問です。
もちろん、長期保有が良い場合もありますが、
状況によっては“売った方がいい”タイミングも存在します。
そこで今回は、どんなときに投資先を見直し、
必要なら“損切り(そんぎり)”を検討すべきかを、できるだけわかりやすく解説します。
本記事の目次
なぜ「見直す」必要があるのか?
- 会社の状況は変化する
企業は常に新製品を開発したり、経営方針を変えたり、業績が上下したりします。
株を買ったときの状態が永遠に続くわけではありません。 - 市場や経済状況も変化する
世界的な出来事、景気の波、政治の動きなどに左右されて、
会社の株価が上がったり下がったりすることがあります。 - 自分の投資目標も変わる
投資を始めたころは「将来のために貯蓄代わり」と考えていたかもしれませんが、
後々「マイホームの頭金を早めに準備したい」など、目標が変わる場合もあります。
目標が変われば、取りたいリスクの大きさや投資スタイルも変わるかもしれません。
こうした理由から、
たまに投資先を振り返って「このままで大丈夫かな?」とチェックする時間が必要になるのです。
見直しのタイミング
投資先の見直しは、以下のようなタイミングで行うのがおすすめです。
- 決算発表のあと
多くの企業は年4回(3ヶ月ごと)に業績や財務状況を発表します。
決算書や会社の発表資料を見ることで、
「売上や利益が目標どおりに伸びているか」「経営に問題はないか」などがわかります。 - 株価が大きく上がったとき / 下がったとき
- 大きく上がったとき:
期待以上に値上がりした場合、一部を売って利益を確定するか、
まだ値上がりを期待できるかを考えます。 - 大きく下がったとき:
急に価格が落ちた理由を調べましょう。
一時的な下落なのか、それとも会社の根本的な問題なのかを見極める必要があります。
- 大きく上がったとき:
- 自身の生活や目標に変化があったとき
たとえば、結婚・出産・転職などで大きな出費が予想されるようになった場合や、
もっと安全に資産を守りたいと考えた場合などは、
投資先や投資額の見直しを検討しましょう。
“損切り”って何?
損切りとは、
**「株価が買ったときよりも下がっている状態で、
これ以上の損失を避けるために売ってしまうこと」**を指します。
一見すると「損を確定させるなんて、もったいない!」と思われるかもしれませんが、
損切りは投資家にとって重要なリスク管理のひとつなのです。
なぜ損切りが必要?
- ダメージを最小限に抑えるため
株価が下がり続けている銘柄を持ち続ければ、さらに損失が広がる可能性もあります。
早めに売ることで、追加のダメージを防げる場合があります。 - ほかの投資チャンスを生かすため
下がり続ける株を抱えたままにすると、お金がその銘柄に固定されてしまいます。
損切りして資金を回収すれば、別の有望な投資に振り向けることができるかもしれません。
損切りのライン(基準)はどう決める?
- 買値から○%下がったら売る
たとえば、「買った株価から10%下がったら売る」など、
自分なりのルールを最初に決めておきます。
感情に流されず、一定のルールを守ることで大きな損失を防ぎやすくなります。 - 会社の業績が明らかに悪化したら売る
たとえば、決算のたびに利益が減少している、
これから回復の見込みが薄いと判断した場合に売るという基準を持つのも一つの方法です。
損切りするときに気をつけたいこと
- 感情に左右されすぎない
「あともう少しで上がるかも…」
「いつかは回復するはず…」といった淡い期待にしがみついてしまうと、
結果的に損失が大きくなることがあります。決めたルールを守ることが大切です。 - 必要以上に頻繁に切り替えない
損切りばかりしていると手数料がかさんだり、
上昇する前に売ってしまうなど、逆に損をするケースも出てきます。
過剰に損切りラインを狭くしすぎないようバランスが重要です。 - 情報をしっかり集める
会社の業績悪化が一時的なものなのか、
構造的な問題(事業そのものが時代に合わなくなっているなど)
なのかを見極めて判断しましょう。
ニュースや決算資料、アナリストのレポートなど、
信頼できる情報を確認してから損切りの判断を下すと安心です。
まとめ
投資先を定期的に見直し、必要に応じて“損切り”をすることは、
株式投資で大きな損を防ぐ大切なステップです。
- 会社の決算や株価の大きな変動、自分の生活や目標の変化が見直しのタイミング
- いざという時には“損切り”でリスクを最小限に
- 明確なルールを作り、感情に流されないようにする
これらを意識しながら行動すれば、結果的に投資生活を長く・安定的に続けることができます。
投資は「買って終わり」ではなく、育てるイメージで定期的に状態をチェックすることが大事です。
今後も定期的な見直しや慎重な判断を心がけて、
大きな失敗を避けつつ、少しずつ資産を育てていきましょう。
【リスク開示】
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資は自己責任で行いますようお願いいたします。
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