セブン&アイが安い理由、ローソンが高い理由
こんにちは!今日は、
前回の「発行済み株式数で株価が決まる仕組み」の続きとして、
実際の企業を例に、もっと詳しく説明していきます。
同じコンビニ業界なのに、株価が5倍違う?
セブンイレブンとローソン、
どちらも日本を代表するコンビニチェーンですよね。
でも、株価を比べると、こんなに違うんです。
2024年6月時点の株価
セブン&アイ・ホールディングス:
- 株価:約1,965円
- 全国に約21,000店舗
- 年間売上:約11兆円
- 誰もが知っている超大企業
ローソン:
- 株価:約10,300円
- 全国に約14,500店舗
- 年間売上:約2.8兆円
- こちらも有名な大企業
「え?セブン&アイの方が大きいのに、なぜ株価は5分の1なの?」
そう思いますよね。
この謎を、今日は完全に解明します。
秘密は「発行済み株式数」にある
答えを先に言いましょう。
株価の違いは、会社の規模や優劣ではなく、発行している株の数の違いなんです。
実際の数字を見てみましょう
セブン&アイ・ホールディングス:
- 株価:約1,965円
- 発行済み株式数:約26億株
- 時価総額:約5兆1,000億円
ローソン:
- 株価:約10,300円
- 発行済み株式数:約1億1,100万株
- 時価総額:約1兆1,400億円
ここで注目してほしいのは、発行済み株式数です。
セブン&アイ:26億株 ローソン:1億1,100万株
なんと、セブン&アイはローソンの約23倍もの株を発行しているんです!
ピザで説明すると分かりやすい
これを、ピザで例えてみましょう。
セブン&アイのピザ:
- ピザ全体の大きさ:直径50cmの超巨大ピザ(5兆円分)
- 切り分けた数:26億切れ
- 1切れの大きさ:とても小さい
- 1切れの値段:1,965円
ローソンのピザ:
- ピザ全体の大きさ:直径30cmの普通のピザ(1兆円分)
- 切り分けた数:1億1,100万切れ
- 1切れの大きさ:やや大きめ
- 1切れの値段:10,300円
ピザ全体(会社の価値)はセブン&アイの方が大きいけれど、
細かく切り分けているので、1切れ(1株)の値段は安くなる。
これが、株価の違いの正体なんです。
時価総額こそが会社の本当の価値
では、会社の本当の大きさ(価値)を知るには、どうすればいいのでしょうか?
それは、時価総額を見ることです。
時価総額の計算方法
時価総額 = 株価 × 発行済み株式数
セブン&アイの場合:
1,965円 × 26億株 = 約5兆1,000億円
ローソンの場合:
10,300円 × 1億1,100万株 = 約1兆1,400億円
時価総額で比べると真実が見える
株価だけで見ると:
- ローソン(10,300円)> セブン&アイ(1,965円)
時価総額で見ると:
- セブン&アイ(5兆1,000億円)> ローソン(1兆1,400億円)
セブン&アイは、ローソンの約4.5倍の規模があることが分かります。
これが、会社の本当の姿なんです。
なぜ会社によって発行株式数が違うのか?
「でも、なぜこんなに発行する株の数が違うの?」
そう思いますよね。理由は大きく3つあります。
理由1:会社の戦略の違い
会社には、それぞれ株式に対する考え方があります。
セブン&アイの戦略(たくさん発行する):
メリット:
- 1株の値段が安くなる
- 個人投資家も買いやすい
- 多くの人に株主になってもらえる
- 株の売買が活発になる(流動性が高い)
- 会社の知名度が上がる
デメリット:
- 株主の数が多すぎて管理が大変
- 株主総会が大規模になる
ローソンの戦略(少なめに発行する):
メリット:
- 1株の値段が高くなる
- 短期的な売買が減る
- 長期的に保有してくれる株主が増える
- 株主管理がしやすい
デメリット:
- 個人投資家には買いにくい
- 流動性が低い(売買が少ない)
どちらが良い悪いではなく、会社の考え方の違いなんです。
理由2:株式分割の歴史
会社によっては、過去に何度も株式分割をした会社もあれば、
一度もしていない会社もあります。
株式分割とは: 1株を2株や3株に分割すること。
株の数は増えるけど、持っている人の資産価値は変わらない。
セブン&アイの株式分割の歴史:
- 過去に複数回、株式分割を実施
- そのたびに発行株式数が増えた
- 結果:26億株という大きな数になった
ローソンの場合:
- 株式分割の回数が少ない
- 発行株式数が比較的少ない状態
理由3:企業規模と資金調達の歴史
会社が大きくなる過程で、
資金を集めるために新たに株を発行することがあります。
セブン&アイの場合:
- 長い歴史の中で、何度も事業拡大
- M&A(他の会社を買収)も多い
- そのたびに株を発行して資金調達
- 結果:発行株式数が多くなった
ローソンの場合:
- 親会社(三菱商事)からの支援がある
- 新規株式発行をあまりしなかった
- 結果:発行株式数が比較的少ない
株価が高い・安いで判断してはいけない
ここまで読んで、こう思ったかもしれません。
「じゃあ、株価が安い方がお得なの?」
答えは、NOです。
よくある間違い
❌ 間違った考え方:
「セブン&アイは1,965円で安い!たくさん買える!お得!」
「ローソンは10,300円で高い!買えない!」
⭕ 正しい考え方:
「株価の高い安いは、会社の価値とは関係ない」
「時価総額と成長性を見て判断する」
実際の投資で比較してみよう
100万円を投資した場合、どちらが良いか比較してみましょう。
セブン&アイに投資:
- 投資額:100万円
- 株価:1,965円
- 買える株数:約509株
- その後、株価が10%上昇して2,161円になった
- 資産:約110万円
- 利益:10万円
ローソンに投資:
- 投資額:100万円
- 株価:10,300円
- 買える株数:約97株
- その後、株価が10%上昇して11,330円になった
- 資産:約110万円
- 利益:10万円
結果は同じ!
株価が安い高いは関係なく、
上昇率が同じなら、利益も同じなんです。
株価の動きやすさは違う
ただし、発行株式数によって、株価の動きやすさは変わります。
発行株式数が多い会社(セブン&アイ型)
特徴:
- 株価の動きが比較的ゆっくり
- 大量の資金が入っても、株価は急には動かない
- 安定している
具体例:
セブン&アイの株価が1,965円から2,161円に上昇(10%上昇)するには、
市場に流入する資金が:
(2,161円 - 1,965円) × 26億株 = 約5,096億円
約5,000億円もの資金が必要!
これだけの資金を動かせるのは、機関投資家だけです。
でも、それだけ動かすのは大変なので、株価は急激には動きません。
投資家にとって:
- メリット:安定している、予測しやすい
- デメリット:短期間で大きく儲けるのは難しい
発行株式数が少ない会社(ローソン型)
特徴:
- 株価が動きやすい
- 少しの資金でも株価が変動する
- 不安定になることもある
具体例: ローソンの株価が10,300円から
11,330円に上昇(10%上昇)するには、
市場に流入する資金が:
(11,330円 - 10,300円) × 1億1,100万株 = 約1,143億円
約1,100億円の資金で10%動く。
セブン&アイの約5分の1の資金で同じ変動率!
投資家にとって:
- メリット:比較的少ない資金で株価が動く
- デメリット:不安定、予測しにくい
株研メソッドではどう考えるか?
では、株研メソッドでは、どちらのタイプの会社を選ぶべきでしょうか?
初心者には「発行株式数が多い会社」がおすすめ
理由1:動きが自然
- 機関投資家の操作を受けにくい
- チャートの動きが素直
- 2ヶ月連続陽線などのサインが機能しやすい
理由2:予測しやすい
- 急激な乱高下が少ない
- ボリンジャーバンドが機能しやすい
- 安心して保有できる
理由3:売りたい時に売れる
- 出来高が多い
- 買いたい人がたくさんいる
- すぐに売却できる
でも、株研メソッドの基本は「上場10年未満」
ここで矛盾が生じますね。
株研メソッドの推奨:
- 上場10年未満の会社
- 株価1,000円以下
セブン&アイやローソン:
- 上場から何十年も経っている
- セブン&アイは1,965円、ローソンは10,300円
つまり、セブン&アイもローソンも、株研メソッドの対象外なんです。
株研メソッドが狙うのは「これから大きくなる会社」
セブン&アイやローソンは:
- すでに成長しきっている
- これ以上の大きな成長は期待しにくい
- 安定しているけど、2倍3倍は難しい
株研メソッドが狙うのは:
- 上場したばかりで、これから成長する会社
- まだ誰も注目していない会社
- 株価が2倍3倍になる可能性がある会社
今回の例は、あくまで「発行株式数と株価の関係」を理解するための説明です。
実際の投資対象を見てみよう
では、株研メソッドの対象となる、
上場10年未満、1,000円以下の会社を見てみましょう。
例:D社(仮名、上場3年目のIT企業)
基本情報:
- 株価:約650円
- 発行済み株式数:約8,000万株
- 時価総額:約520億円
- 上場:3年前
- 事業:クラウドサービス
発行株式数の特徴:
- セブン&アイ(26億株)と比べると、約32分の1
- ローソン(1億1,100万株)と比べると、約1.4分の1
- 比較的少ない
これが意味すること:
- 少しの資金で株価が動きやすい
- 上昇する時は一気に上がる可能性
- でも、出来高が少なすぎると売れないリスクも
チェックポイント
このような会社に投資する時は、以下をチェック:
- 発行済み株式数:
- 少なすぎないか(5,000万株以下は注意)
- 多すぎないか(10億株以上は動きにくい)
- 出来高:
- 日々の出来高が10万株以上あるか
- 売りたい時に売れる流動性があるか
- 時価総額:
- 小さすぎないか(100億円以下は不安定)
- 大きすぎないか(5,000億円以上は成長余地が少ない)
理想的な範囲:
- 発行株式数:5,000万株〜5億株
- 時価総額:200億円〜2,000億円
- 日々の出来高:10万株以上
この範囲の会社なら:
- 適度に動きやすい
- でも、操作されにくい
- 売買しやすい
まとめ:株価の高い安いに惑わされない
今日学んだ重要ポイント
- 株価の違いは発行株式数の違い
- セブン&アイが安いのは、株を細かく分けているから
- ローソンが高いのは、株をあまり分けていないから
- 会社の優劣とは関係ない
- 時価総額こそが会社の本当の価値
- 時価総額 = 株価 × 発行済み株式数
- これで会社の大きさを比較する
- 株価の高い安いでお得度は決まらない
- 上昇率が同じなら、利益も同じ
- 1,000円の株も10,000円の株も、10%上がれば利益は10%
- 発行株式数で動きやすさが変わる
- 多い → 安定、動きにくい
- 少ない → 不安定、動きやすい
- 株研メソッドは「中間」を狙う
- 発行株式数:5,000万株〜5億株
- 時価総額:200億円〜2,000億円
- この範囲が最も投資しやすい
初心者がやりがちな間違い
❌ 「株価が安いから買いやすい!たくさん買おう!」
⭕ 「時価総額と成長性を見て判断しよう」
❌ 「株価が高いから、この会社はすごい!」
⭕ 「発行株式数が少ないだけかも。時価総額を確認しよう」
❌ 「株価が1,000円以下だから、株研メソッドの対象だ!」
⭕ 「上場年数、発行株式数、出来高も確認しよう」
証券会社のサイトで確認しよう
株を買う前に、必ずこれらをチェックしてください:
確認項目:
- 現在の株価
- 発行済み株式数
- 時価総額
- 上場年月日(上場してから何年か)
- 日々の出来高
- 業種と事業内容
これらの情報は、証券会社のウェブサイトや、
Yahoo!ファイナンスで簡単に調べられます。
実践のステップ:
- 気になる株を見つける
- 上記の6項目を調べる
- 株研メソッドの条件に合っているか確認
- 月足チャートで2ヶ月連続陽線を待つ
- 条件が揃ったら購入
次のステップ
セブン&アイとローソンの例で、
発行株式数と株価の関係が理解できましたね。
次回は、「出来高の多い株と少ない株、どちらを選ぶべき?」で、
実際の銘柄選びのテクニックをお話しします。
出来高は、発行株式数と並んで、とても大切な指標です。
楽しみにしていてくださいね!
今日のポイント:
- 株価の違いは発行株式数の違い
- セブン&アイは細かく分けているから安い
- ローソンはあまり分けていないから高い
- 時価総額で会社の本当の価値を見る
- 発行株式数で株価の動きやすさが変わる
- 株研メソッドは「中間」の規模を狙う
株価だけで判断せず、総合的に見る目を養いましょう!

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