カテゴリ2-19:移動平均線とは?【5日・20日・60日・120日の使い分け】
こんにちは!今日は、テクニカル分析の最も基本的なツールを解説します。
「移動平均線」
「移動平均線って、何?」
「いろんな期間があるけど、どう使い分けるの?」
「株研メソッドでは、どれを使うの?」
移動平均線は、すべてのテクニカル分析の基礎です。
今日は、移動平均線の基本から、
実践的な使い方まで、完全マスターしていただきます。
移動平均線とは?
基本的な定義
移動平均線(Moving Average, MA):
一定期間の株価の平均値を線で結んだもの
簡単に言うと:
「過去○日間の平均株価」を線にしたもの
例:
5日移動平均線
= 過去5日間の終値の平均
これを毎日計算して線にする
目的:
株価の細かい上下を平滑化
大きなトレンドを見やすくする
ノイズを除去
本質を見る
視覚的なイメージ
株価チャート(移動平均線なし)
株価
↑
1050 ┤ ●
1000 ┤● ●●
950 ┤ ●● ●
900 ┤ ●●
└──────────→ 時間
ガタガタで分かりにくい
株価チャート(移動平均線あり)
株価
↑
1050 ┤ ●
1000 ┤● ●●
950 ┤ ●●────── ← 移動平均線(滑らか)
900 ┤ ●●
└──────────→ 時間
トレンドが見やすい
移動平均線の計算方法
5日移動平均線の例
計算式:
5日移動平均線 = (A + B + C + D + E) ÷ 5
A = 5日前の終値
B = 4日前の終値
C = 3日前の終値
D = 2日前の終値
E = 1日前の終値
具体例:
月曜:1,000円
火曜:1,020円
水曜:1,010円
木曜:1,030円
金曜:1,040円
5日移動平均線(金曜日):
(1,000 + 1,020 + 1,010 + 1,030 + 1,040) ÷ 5
= 5,100 ÷ 5
= 1,020円
金曜日の5日移動平均線:1,020円
翌週月曜日:
月曜:1,050円(新しいデータ)
5日移動平均線(月曜日):
火曜〜月曜の5日間
(1,020 + 1,010 + 1,030 + 1,040 + 1,050) ÷ 5
= 5,150 ÷ 5
= 1,030円
古いデータ(前週月曜)が外れる
新しいデータ(今週月曜)が入る
これを「移動」と呼ぶ
なぜ「移動」なのか?
計算対象が毎日移動する
例(5日移動平均線):
月曜:月〜金曜の平均
火曜:火〜月曜の平均
水曜:水〜火曜の平均
対象期間が移動する
→ 移動平均線
各移動平均線の特徴と使い分け
5日移動平均線(超短期)
期間:
約1週間分(5営業日)
特徴:
メリット:
- 株価に敏感に反応
- 短期的な動きが分かる
- デイトレーダー向け
デメリット:
- ノイズが多い
- ダマシが多い
- 中長期投資には不向き
使い方:
短期売買:
株価が5日線を上抜け → 買い
株価が5日線を下抜け → 売り
デイトレード、スイングトレード向け
株研メソッドでの使用:
❌ 基本的に使わない
理由:
中長期投資なので、短期線は不要
参考程度に見ることはある
20日移動平均線(短期)
期間:
約1ヶ月分(20営業日)
特徴:
メリット:
- 短期トレンドが分かる
- 5日線よりノイズが少ない
- 一般的によく使われる
デメリット:
- 中長期トレンドは見えにくい
- 株研メソッドには短すぎる
使い方:
短期〜中期売買:
株価が20日線の上 → 上昇トレンド
株価が20日線の下 → 下降トレンド
ゴールデンクロス・デッドクロス:
5日線が20日線を上抜け → 買いサイン
5日線が20日線を下抜け → 売りサイン
株研メソッドでの使用:
△ たまに参考にする
使用場面:
月足チャートで迷った時
週足チャートで確認する際
メインでは使わない
60日移動平均線(中期)★株研メソッドのメイン
期間:
約3ヶ月分(60営業日)
特徴:
メリット:
- 中期トレンドが明確
- ノイズが少ない
- ダマシが少ない
- 月足チャートと相性が良い
デメリット:
- 反応が遅い
- 短期売買には不向き
株研メソッドに最適
使い方:
中長期投資:
株価が60日線の上 → 上昇トレンド
株価が60日線の下 → 下降トレンド
ボリンジャーバンドの基準:
60日移動平均線を中心に
±1σ、±2σ、±3σを計算
株研メソッドの核
株研メソッドでの使用:
⭕ メインで使用
設定:
月足チャートに60日移動平均線
ボリンジャーバンド(60日基準)
これが基本
120日移動平均線(長期)
期間:
約6ヶ月分(120営業日)
特徴:
メリット:
- 長期トレンドが明確
- 非常に安定
- ダマシがほぼない
デメリット:
- 反応が非常に遅い
- 短期的な変化を捉えられない
使い方:
長期投資:
株価が120日線の上 → 長期上昇トレンド
株価が120日線の下 → 長期下降トレンド
大きな流れの確認:
60日線だけでは不安な時
120日線も確認
株研メソッドでの使用:
△ 補助的に使用
使用場面:
大きなトレンドの確認
60日線と合わせて判断
必須ではないが、あると便利
移動平均線の実践的な見方
パターン1:ゴールデンクロス(買いサイン)
定義:
短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜ける
図解:
株価
↑
│ ╱ ← 短期線
│ ╱
│╱
╳ ← ゴールデンクロス(買いサイン)
╱│
╱ │ ← 長期線
└──────────→ 時間
意味:
短期的な上昇が、
長期的なトレンドも変えた
下降トレンド → 上昇トレンドへ転換
買いサイン
株研メソッドでは:
参考程度
メインは2ヶ月連続陽線
ゴールデンクロスは補助的に確認
パターン2:デッドクロス(売りサイン)
定義:
短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下に突き抜ける
図解:
株価
↑
╲ │
╲│ ← 短期線
╳ ← デッドクロス(売りサイン)
│╲
│ ╲ ← 長期線
└──────────→ 時間
意味:
短期的な下落が、
長期的なトレンドも変えた
上昇トレンド → 下降トレンドへ転換
売りサイン
株研メソッドでは:
参考程度
メインは+2σ到達、または2ヶ月連続陰線
デッドクロスは補助的に確認
パターン3:パーフェクトオーダー(強い上昇)
定義:
短期 > 中期 > 長期
の順に並んでいる状態
図解:
株価
↑
│ ╱
│ ╱ ← 5日線
│╱ ← 20日線
╱│ ← 60日線
╱ │
└──────────→ 時間
全ての線が右肩上がり
上から順に並んでいる
意味:
短期、中期、長期
すべてが上昇トレンド
非常に強い上昇トレンド
株研メソッドでは:
買った後、この状態になれば理想的
保有継続
+2σまで待つ
パターン4:逆パーフェクトオーダー(強い下降)
定義:
短期 < 中期 < 長期
の順に並んでいる状態
図解:
株価
↑
╲ │
╲ │ ← 60日線
╲│ ← 20日線
╲ ← 5日線
│╲
└──────────→ 時間
全ての線が右肩下がり
下から順に並んでいる
意味:
短期、中期、長期
すべてが下降トレンド
非常に強い下降トレンド
株研メソッドでは:
この状態の銘柄は買わない
避けるべきパターン
パターン5:レンジ相場
定義:
移動平均線が横ばい
株価も移動平均線付近で上下
図解:
株価
↑
950 ┤ ● ●
900 ┤● ─ ● ← 移動平均線(横ばい)
850 ┤ ●
└──────────→ 時間
方向性がない
意味:
上昇でも下降でもない
横ばい
トレンドがない
株研メソッドでは:
レンジ相場の銘柄は買わない
明確な上昇トレンドの銘柄だけ買う
株研メソッドでの移動平均線の使い方
設定
月足チャートに表示:
表示する移動平均線:
- 60日移動平均線(メイン)
- 120日移動平均線(補助)
5日線、20日線:
表示してもいいが、基本的に見ない
シンプルが一番
買いの判断
ステップ1:60日線の向き
60日線が上向き:
上昇トレンド
→ 買い候補
60日線が下向き:
下降トレンド
→ 買わない
60日線が横ばい:
レンジ相場
→ 買わない
ステップ2:株価と60日線の位置関係
理想的なパターン:
過去:
株価が60日線より大きく下
(-2σ、-3σ付近)
現在:
株価が60日線に近づいてきた
または少し上
これが買いタイミング
ステップ3:120日線も確認
120日線も上向き:
長期的にも上昇トレンド
→ 非常に良い
120日線は横ばいまたは下向き:
長期的には微妙
→ 慎重に
120日線は補助的
売りの判断
メインの判断基準:
1. +2σ到達(最優先)
2. 2ヶ月連続陰線
3. -15%の損切り
これらがメイン
移動平均線での補助的確認:
株価が60日線を大きく上回っている:
+2σ付近の可能性
→ 売却検討
60日線が横ばいになってきた:
上昇トレンド終了の可能性
→ 注意
デッドクロス:
下降トレンド入りの可能性
→ 売却検討
補助的に使う
実例:HH社のチャート分析
架空の事例
HH社(製造業)の2023年の動き
1月〜5月:下降トレンド
株価の推移:
1月:1,000円
2月:950円
3月:900円
4月:850円
5月:800円
60日移動平均線:
右肩下がり
900円付近
株価は60日線より下
下降トレンド
判断:
❌ 買わない
理由:
60日線が下向き
下降トレンド
6月〜7月:反転
株価の推移:
6月:850円(陽線)
7月:900円(陽線)
2ヶ月連続陽線
60日移動平均線:
横ばいから上向きに変化
880円付近
株価が60日線を上抜け
判断:
✅ 買い検討
理由:
- 2ヶ月連続陽線
- 60日線が上向きに転換
- 株価が60日線を上抜け
8月初旬に購入:920円
8月〜12月:上昇トレンド
株価の推移:
8月:950円
9月:1,000円
10月:1,050円
11月:1,100円
12月:1,150円
60日移動平均線:
右肩上がり
1,020円付近
株価が60日線より大きく上
パーフェクトオーダー形成
判断:
保有継続
理由:
60日線が上向き
上昇トレンド継続中
+2σまで待つ
翌年1月:+2σ到達
株価:1,180円
+2σ:1,170円付近
+2σ到達
判断:
✅ 売却
売却価格:1,180円
損益:
購入:920円
売却:1,180円
利益:+260円(+28.3%)
保有期間:5ヶ月
60日移動平均線を使った分析が功を奏した
よくある質問
Q1:移動平均線は何本表示すべき?
A:株研メソッドでは60日線だけでOK。
シンプルが一番:
60日線(メイン)
120日線(補助、あれば便利)
5日線、20日線:
表示してもいいが、見なくてもいい
多すぎると混乱する
Q2:日足と月足で移動平均線は違う?
A:同じ計算方法ですが、意味が変わります。
日足の60日線:
過去60営業日(約3ヶ月)の平均
月足の60日線:
過去60ヶ月(5年)の平均
月足の方が長期的な意味
株研メソッドは月足
Q3:移動平均線だけで勝てる?
A:いいえ、他の指標も必要です。
移動平均線:
トレンドの方向を示す
他に必要:
- 2ヶ月連続陽線
- ボリンジャーバンド
- 出来高
- ファンダメンタルズ
すべて組み合わせて判断
Q4:移動平均線が信頼できない時は?
A:レンジ相場の時です。
レンジ相場:
移動平均線が横ばい
株価も横ばい
この時:
移動平均線は機能しない
ダマシが多い
対策:
レンジ相場の銘柄は買わない
明確なトレンドの銘柄だけ
まとめ:移動平均線をマスターする
今日の重要ポイント
- 移動平均線とは
- 一定期間の株価の平均
- トレンドを見やすくする
- テクニカル分析の基礎
- 各期間の特徴
- 5日線:超短期、デイトレ向け
- 20日線:短期、一般的
- 60日線:中期、株研メソッドのメイン★
- 120日線:長期、補助的
- 実践的パターン
- ゴールデンクロス:買いサイン
- デッドクロス:売りサイン
- パーフェクトオーダー:強い上昇
- 逆パーフェクトオーダー:強い下降
- 株研メソッドでの使い方
- 月足チャートに60日線
- 上向きの銘柄だけ買う
- 補助的に120日線も確認
- 実例:HH社
- 60日線の上向き転換を確認
- 5ヶ月で+28.3%
- 移動平均線分析が有効
- 注意点
- レンジ相場では機能しない
- 他の指標と組み合わせる
- シンプルに使う
実践のためのチェックリスト
今週末やること:
□ チャートギャラリーに移動平均線を表示
□ 60日線と120日線を設定
□ 10銘柄で確認
□ 上向き・下向き・横ばいを判断
来週末やること:
□ 60日線が上向きの銘柄を探す
□ 株価が60日線付近の銘柄をピックアップ
□ 2ヶ月連続陽線が出ているか確認
再来週末やること:
□ パーフェクトオーダーの銘柄を探す
□ 購入候補をリストアップ
□ 実際に購入を検討
最後に:シンプルが最強
移動平均線は、最もシンプルで、最も強力なツールです。
複雑な指標はいらない
移動平均線だけで十分
特に:
60日移動平均線
これをマスターすれば、勝てる
株研メソッドの移動平均線の使い方:
1. 月足チャートに60日線を表示
2. 60日線が上向きの銘柄だけ買う
3. 保有中も60日線を確認
4. 60日線が下向きになったら注意
シンプル
でも、効果的
移動平均線を使いこなせば、あなたの投資は変わります。
次回は、「出来高の見方【注目度が分かる指標】」を解説します。
一緒に、移動平均線をマスターして、確実に利益を積み重ねていきましょう!
今日のポイント:
- 移動平均線 = 一定期間の株価の平均、トレンド把握
- 期間別:5日(超短期)、20日(短期)、60日(中期)★、120日(長期)
- 株研メソッドは60日線メイン、月足チャートで使用
- パターン:ゴールデンクロス(買い)、デッドクロス(売り)
- パーフェクトオーダー = 強い上昇トレンド
- 60日線上向き + 株価が60日線付近 = 買いタイミング
- 他の指標と組み合わせて使う、シンプルが最強

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