出来高の多い株と少ない株、どちらを選ぶべき?
はじめに – 見落としがちな重要指標
「株価が安い株を見つけた!」
「2ヶ月連続陽線も出てる!」
「これは買いだ!」
ちょっと待ってください。
「出来高」は確認しましたか?
多くの初心者が見落とすのが、この「出来高」という指標です。
ハワード・ジョイマン氏は警告します:
「出来高を意識するってことですね。
出来高かっていうのは、出来高が少ない銘柄っていうのは、
結局買ったとしても売る時に苦労するんですよ」
「出来高が少ないと買えても売れない」
今日は、出来高とは何か、なぜ重要なのか、
どのくらいの出来高が必要なのかを詳しく解説します。
出来高とは?
基本的な定義
【出来高】
出来高(できだか):
一定期間に取引された株式の数量
単位:株
例:「本日の出来高:100万株」
意味:
その日に100万株の売買が成立した
【表示方法】
チャートの下部:
縦の棒グラフで表示
棒が高い:出来高が多い
棒が低い:出来高が少ない
色:
陽線の日:赤または白
陰線の日:青または黒
出来高が示すもの
【市場の関心度】
出来高が多い:
- 多くの投資家が注目
- 活発な売買
- 流動性が高い
出来高が少ない:
- 投資家の関心が薄い
- 取引が少ない
- 流動性が低い
【株価への影響】
【出来高増加 + 株価上昇】
= 上昇トレンドの確認
= 強いシグナル
【出来高増加 + 株価下落】
= 下落トレンドの確認
= 弱いシグナル
【出来高減少】
= トレンドの終わり
= 転換点の可能性
出来高が少ない株の危険性
危険性1:売りたい時に売れない
【流動性リスク】
出来高が少ない株:
1日の取引量が1万株程度
あなたが5,000株保有
= 1日の出来高の50%
売ろうとすると:
買い手が見つからない
↓
値段を下げないと売れない
↓
損失拡大
ハワード氏の警告:
「出来高が少ない銘柄っていうのは、
結局買ったとしても売る時に苦労するんですよ。
だから、ある程度の出来高がある銘柄じゃないと、
なかなか売りづらいんですね」
【具体例】
【出来高1万株の銘柄】
あなた:1,000株を成行で売却注文
買い注文:
- 990円:100株
- 985円:200株
- 980円:300株
- 975円:400株
結果:
全て売るには975円まで下げる必要
購入時1,000円なら、25円の損失
【出来高10万株の銘柄】
あなた:1,000株を成行で売却注文
買い注文:
- 999円:3,000株
- 998円:5,000株
- 997円:4,000株
結果:
999円ですぐに売却完了
ほぼ希望通りの価格
危険性2:機関投資家に操作されやすい
【株価操作のリスク】
出来高が少ない株:
少額で株価を動かせる
例:
1日の出来高:5,000株
機関投資家:50,000株買い注文
↓
出来高の10倍!
↓
株価が急騰
ハワード氏の暴露:
「投資の情報サービスなどをやってる会社とかって、
本当に日々の出来高が全然少ない株を推奨するんですよ。
そうすると、日々の出来高が少ない株っていうのは、
ちょっとした株の売買があると、
それだけでバーンて値段が上がるんですよね」
【実際の手口】
【ステップ1】
投資情報会社が出来高の少ない株を
事前に安値で大量購入
【ステップ2】
「この株が上がります!」と宣伝
メルマガ、YouTube等で拡散
【ステップ3】
読者が買い始める
出来高が急増
株価が上昇
【ステップ4】
「ほら、上がったでしょ!」
信頼を得る
【ステップ5】
事前に買っていた株を高値で売却
投資情報会社は大儲け
【ステップ6】
出来高が元に戻る
株価も下落
読者は損失
ハワード氏の続き:
「そういう投資サービスの人は、
みんなに言う前にその株価を買っとくんですよ。
でも、株ってよく言われますけども、
『遅れて株価が上がった後、悲惨』で、
どんどんどんって下がっていくんですけど、
その前にその人達はもう売り抜けていって」
危険性3:スプレッドが広い
【スプレッドとは】
スプレッド:
買値と売値の差
買値(Ask):投資家が買う時の価格
売値(Bid):投資家が売る時の価格
スプレッド = 買値 - 売値
【出来高少ない株】
売値:980円
買値:1,000円
スプレッド:20円(2%)
購入直後:
買値1,000円
でもすぐ売ると980円
↓
20円(2%)の損失確定
2%上昇しないと
プラスにならない
【出来高多い株】
売値:999円
買値:1,000円
スプレッド:1円(0.1%)
購入直後:
買値1,000円
すぐ売っても999円
↓
1円(0.1%)の損失のみ
0.1%上昇すれば
すぐプラス
危険性4:値幅制限に引っかかりやすい
【ストップ高・ストップ安】
出来高が少ない株:
少しの買いで上限到達
少しの売りで下限到達
ストップ高:
買いたくても買えない
ストップ安:
売りたくても売れない
数日間続くこともある
出来高が多い株のメリット
メリット1:いつでも売買できる
【流動性の高さ】
出来高100万株以上の銘柄:
売りたい時:
すぐに買い手が見つかる
希望の価格で売却可能
買いたい時:
すぐに売り手が見つかる
希望の価格で購入可能
= ストレスフリー
【安心感】
「いつでも売れる」という安心感:
- 冷静な判断ができる
- 感情的にならない
- 長期保有しやすい
「売れないかも」という不安:
- 焦って売ってしまう
- 損切りが遅れる
- ストレスが大きい
メリット2:株価が自然な動き
【需給のバランス】
出来高が多い:
多数の投資家が参加
↓
需要と供給のバランス
↓
自然な価格形成
↓
チャート分析が機能しやすい
【操作されにくい】
出来高100万株の銘柄を動かすには:
数億円〜数十億円の資金が必要
機関投資家でも簡単には動かせない
↓
個人投資家にとって安全
ハワード氏の助言:
「本当に出来高が、
今日の投資法は本当に誰も見向きをしない段階で買っといてほったらかして、
気づいたら上がってるっていう投資法なんで、
あの出来高がその大して大きくなくてもいいんですけど、
要はトレード期間が短くなればなるほど、
出来高のある銘柄でやんないと自然な波にならないんですよ」
メリット3:情報が豊富
【アナリストのカバー】
出来高が多い大型株:
- 多くのアナリストがカバー
- レポートが豊富
- ニュースも多い
出来高が少ない小型株:
- カバーが少ない
- 情報が限定的
- 判断材料が少ない
【透明性】
情報が多い:
- 企業の実態を把握しやすい
- リスクを判断しやすい
- 安心して投資できる
情報が少ない:
- 何が起きているか分からない
- リスクが見えない
- 不安が大きい
メリット4:テクニカル分析が機能しやすい
【チャートの信頼性】
出来高が多い:
多数の投資家の判断を反映
↓
チャートパターンが素直
↓
ボリンジャーバンド、移動平均線が機能
↓
勝率が高い
出来高が少ない:
少数の投資家で価格が動く
↓
チャートが不規則
↓
テクニカル分析が機能しにくい
↓
勝率が低い
適切な出来高の目安
株研メソッドでの基準
【推奨出来高】
【最低ライン】
1日10万株以上
【推奨】
1日50万株以上
【理想】
1日100万株以上(日経225レベル)
【なぜこの基準?】
10万株以上:
- ある程度流動性がある
- 急いで売る必要がなければOK
- 中長期投資向き
50万株以上:
- 流動性が十分
- いつでも売買しやすい
- バランスが良い
100万株以上:
- 流動性が非常に高い
- 完全に安心
- 短期売買も可能
投資スタイル別の基準
【デイトレード(参考)】
必要出来高:100万株以上
理由:
- 1日に何度も売買
- すぐに売買できる必要
※株研メソッドでは非推奨
【スイングトレード(数週間)】
必要出来高:50万株以上
理由:
- 数週間単位で売買
- ある程度の流動性が必要
【株研メソッド(中長期)】
必要出来高:10万株以上
理由:
- 数ヶ月〜数年単位
- 急いで売る必要がない
- 最低限の流動性があればOK
推奨:50万株以上
- より安全
- 売りたい時にすぐ売れる
チェック方法
【チャートギャラリーで確認】
1. 銘柄のチャートを開く
2. 画面下部に出来高の棒グラフ
3. 最近の平均を確認
目安:
棒グラフの数値を見る
「100」と表示 = 100万株
「50」と表示 = 50万株
「10」と表示 = 10万株
【証券会社サイトで確認】
銘柄詳細画面に表示:
- 本日の出来高
- 平均出来高(過去3ヶ月等)
平均出来高を見る:
- 一時的な増減ではなく
- 通常の取引量を確認
出来高と株価の関係
パターン1:出来高増加 + 株価上昇
【最強の買いサイン】
株価が上昇
同時に出来高も増加
↓
多くの投資家が買っている
↓
上昇トレンドの確認
↓
信頼性の高い買いサイン
【株研メソッドとの組み合わせ】
✅ 2ヶ月連続陽線
✅ ボリンジャーバンド-2σから上昇
✅ 出来高も増加
全て揃った時:
→ 最強の買いタイミング
パターン2:出来高増加 + 株価下落
【下落トレンドの確認】
株価が下落
同時に出来高も増加
↓
多くの投資家が売っている
↓
下落トレンドの確認
↓
買いを避ける
【底値圏での例外】
-2σ、-3σで:
出来高増加 + 株価下落
↓
セリングクライマックス
(売りの最終局面)
↓
その後反転の可能性
ただし:
2ヶ月連続陽線を待つ
パターン3:出来高減少
【トレンド終了のサイン】
株価上昇中に出来高減少:
上昇トレンドの終わり
↓
そろそろ売りを検討
株価下落中に出来高減少:
下落トレンドの終わり
↓
反転の可能性
実践:出来高を使った銘柄選定
ステップ1:候補銘柄のリストアップ
条件:
✅ 上場10年未満
✅ 株価1000円以下
✅ 2ヶ月連続陽線
この時点で10銘柄程度に絞る
ステップ2:出来高で絞り込み
各銘柄の平均出来高を確認:
銘柄A:5万株 → ❌ 除外
銘柄B:80万株 → ⭕ 候補
銘柄C:3万株 → ❌ 除外
銘柄D:120万株 → ⭕ 候補
銘柄E:2万株 → ❌ 除外
銘柄F:150万株 → ⭕ 候補
銘柄G:40万株 → △ 候補(やや少ない)
銘柄H:8万株 → ❌ 除外
銘柄I:200万株 → ⭕ 候補
銘柄J:6万株 → ❌ 除外
基準:50万株以上
結果:4銘柄(B, D, F, I)に絞る
ステップ3:最終判断
4銘柄について:
- 事業内容を確認
- 業績を確認
- 時代の流れに乗っているか
最も条件の良い1-2銘柄を選ぶ
例外:出来高が少なくてもOKな場合
ケース1:長期保有前提
【条件】
保有期間:3年以上を想定
投資金額:少額(10-30万円程度)
売却予定:特になし(株式分割待ち等)
この場合:
出来高10万株未満でもOK
理由:
- 急いで売る必要がない
- 少額なら売却時も困らない
- 長期で待てる
ケース2:超成長株
【条件】
上場まもない企業
革新的な技術・サービス
将来性が非常に高い
現在は出来高少ないが:
今後認知度UP → 出来高増加の見込み
リスクを承知で投資:
ハイリスク・ハイリターン
【注意点】
この戦略は上級者向け
初心者は避けるべき
株研メソッドの基本からは外れる
よくある質問
Q1: 出来高が急増した銘柄は買い?
A: 理由を確認してから判断。
【良い急増】
- 好決算発表後
- 新製品発表後
- 業務提携発表後
→ 上昇トレンドの始まり
→ 2ヶ月連続陽線と組み合わせて判断
【悪い急増】
- 悪材料での急落
- ストップ安での投げ売り
- パニック売り
→ 避ける
Q2: 日経225なら出来高は十分?
A: はい、日経225銘柄は基本的に十分です。
日経225の特徴:
- 日本を代表する大企業
- 出来高100万株以上が多い
- 流動性は十分
株研メソッドとの相性:
- 初心者にも安心
- 自然な値動き
- テクニカル分析が機能
ただし:
株価が高い銘柄が多い(3000円以上)
→ 最低投資額が大きい
Q3: 出来高はどのくらいの期間で見る?
A: 過去3ヶ月の平均を見る。
理由:
- 一時的な変動を除外
- 通常の取引量を把握
- より正確な判断
確認方法:
証券会社サイトに表示される
「平均出来高(3ヶ月)」を参照
Q4: 出来高とボリュームは違う?
A: 同じ意味です。
出来高 = Volume = ボリューム
英語チャートでは:
「Volume」と表示される
意味は同じ:
取引された株式数
まとめ – 出来高は流動性の証
出来高が少ない株の危険性
❌ 売りたい時に売れない
❌ 機関投資家に操作されやすい
❌ スプレッドが広い
❌ 値幅制限に引っかかりやすい
出来高が多い株のメリット
✅ いつでも売買できる
✅ 株価が自然な動き
✅ 情報が豊富
✅ テクニカル分析が機能しやすい
株研メソッドでの基準
最低ライン:10万株以上
推奨:50万株以上
理想:100万株以上(日経225レベル)
チェックポイント
□ 平均出来高(3ヶ月)を確認
□ 50万株以上を目安に
□ 10万株未満は避ける
□ 出来高増加のタイミングを見る
□ 他の条件と組み合わせて判断
ハワード氏からのアドバイス
「出来高を意識するってことですね。出来高が少ないと買えても売れない」
「出来高のある銘柄でやんないと自然な波にならないんですよ」
次のステップ
出来高の重要性を理解したら、次は他の銘柄選定基準も学びましょう。
次に読むべき記事:
- 「上場10年以内の会社だけを選ぶ理由【成長株の見つけ方】」
- 「1000円以下の株だけを買う3つのメリット」
- 「発行済み株式数で株価が決まる仕組み」
- 「貸借銘柄とは?初心者が知っておくべき基礎知識」
覚えておいてほしいこと:
株価やチャートだけ見ていても、 本当に良い銘柄は見つかりません。
出来高という 「隠れた重要指標」を 必ずチェックしてください。
売りたい時に売れない。
それは、 投資家にとって 最悪の事態です。
出来高をチェックすることで、 そのリスクを 回避できるのです。
【重要】この記事のポイント
✅ 出来高 = 1日の取引株数
✅ 出来高が少ないと売れない
✅ 機関投資家に操作されやすい
✅ 最低10万株、推奨50万株以上
✅ 日経225なら基本的に安心
✅ 平均出来高(3ヶ月)を確認
✅ 出来高増加 + 株価上昇 = 強いサイン
投資は自己責任で行いましょう。
この記事は教育目的であり、
特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。
出来高は重要な指標ですが、
これだけで投資判断をすることは推奨しません。

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