IPO株(新規上場株)の正しい買い方
こんにちは!今日は、
多くの投資家が興味を持つIPO株(新規上場株)について、
株研メソッドの視点から正しい買い方を解説します。
「IPO株は儲かる!」 「上場初日に買えば、必ず儲かる!」
こんな話を聞いたことがありませんか?
でも、これは半分正しくて、半分間違いです。
今日は、IPO株の真実と、個人投資家が本当に勝てる方法をお教えします。
IPO(新規上場)とは?
基本的な定義
IPO(Initial Public Offering):
企業が初めて株式を証券取引所に上場し、
一般投資家が売買できるようにすること
日本語では:
- 新規株式公開
- 新規上場
- 株式公開
IPOの流れ
Step 1:上場準備
- 企業が上場を決定
- 監査法人、証券会社と準備
- 通常2〜3年かかる
Step 2:公募・売出
- 公開価格を決定
- 証券会社を通じて株を販売
- 抽選で当選者を決定
Step 3:上場日
- 証券取引所に上場
- 初値(最初の株価)がつく
- 一般投資家も売買可能に
具体例
P社のIPO(2024年の例)
3月1日:上場承認
3月15日:ブックビルディング開始
- 仮条件:1,200円〜1,500円
3月20日:ブックビルディング終了
3月22日:公開価格決定:1,500円
3月25日:抽選結果発表
3月28日:上場日
- 初値:2,100円(公開価格の1.4倍)
IPO株の2つの買い方
IPO株を買う方法は、大きく2つあります。
方法1:公募で買う(上場前)
公募とは: 上場前に、証券会社を通じて公開価格で購入する方法
手順:
- 証券会社で申込み(ブックビルディング)
- 抽選
- 当選したら購入できる
- 上場日に売却可能
メリット:
✅ 公開価格で買える(初値より安い)
✅ 初値で売れば、高確率で利益
デメリット:
❌ 当選確率が非常に低い(1〜3%程度)
❌ 当選しないと買えない
❌ 複数の証券会社で申込む必要がある
方法2:上場後に買う(市場で購入)
市場購入とは: 上場後、証券取引所で普通に購入する方法
手順:
- 上場日以降、好きな時に購入
- 抽選なし、誰でも買える
- 市場価格で購入
メリット:
✅ 誰でも買える
✅ 好きなタイミングで買える
✅ チャートを見て判断できる
デメリット:
❌ 初値が高い(公開価格の1.5〜2倍が多い)
❌ 上場後に下落するリスク
株研メソッドの立場
株研メソッドでは、「方法2:上場後に買う」を推奨します。
理由:
- 公募は当選しないから(運ゲーム)
- 上場後の方が、情報が多い
- チャートで判断できる
- 再現性がある
IPO株の3つの値動きパターン
上場後、IPO株は3つのパターンで動きます。
パターン1:初値が高く、その後下落(最多)
全IPOの約60〜70%がこのパターン
公開価格:1,000円
初値:1,800円(公開価格の1.8倍)
↓
1週間後:1,500円
1ヶ月後:1,200円
3ヶ月後:900円(公開価格を下回る)
6ヶ月後:700円
1年後:600円
グラフのイメージ:
初値1,800円
↗︎ ╲
↗︎ ╲
公開1,000円 ╲
╲
↘︎ 600円(1年後)
なぜこうなるのか:
- 初値が高すぎる
- 注目度が高い
- 買いが殺到
- 実力以上の価格に
- 利益確定売り
- 公募で当選した人が売る
- 初値で売れば確実に利益
- 売り圧力が強い
- 業績が追いつかない
- 上場時は期待だけで買われる
- 実際の業績が期待に届かない
- 失望売り
パターン2:初値が低く、その後上昇
全IPOの約20〜30%
公開価格:1,000円
初値:1,100円(公開価格の1.1倍)
↓
1ヶ月後:1,300円
3ヶ月後:1,600円
6ヶ月後:2,000円
1年後:2,500円
グラフのイメージ:
2,500円(1年後)
↗︎
↗︎
↗︎
公開1,000円 ↗︎
初値1,100円
なぜこうなるのか:
- 初値が妥当
- 注目度が低かった
- 買いが殺到しなかった
- 実力相応の価格
- 業績が好調
- 上場後、業績が伸びる
- 黒字転換する
- 配当を開始する
- 認知度が上がる
- 上場で知名度UP
- 機関投資家が買い始める
- 徐々に評価される
パターン3:公募割れ(初値が公開価格以下)
全IPOの約5〜10%
公開価格:1,000円
初値:900円(公開価格を下回る)
↓
1ヶ月後:800円
3ヶ月後:700円
なぜこうなるのか:
- 公開価格が高すぎた
- 証券会社が欲張った
- 市場が評価しなかった
- 市場環境が悪い
- 上場時に株式市場全体が暴落
- IPO全体が不人気
- 企業に問題
- ビジネスモデルが疑問視された
- 上場直前に悪いニュース
IPO株で失敗する5つのパターン
多くの個人投資家が、IPO株で損をしています。
失敗パターン1:初値で飛びつく
典型例:
上場日の朝:
「このIPO、注目度高い!」
「初値で買おう!」
初値:2,000円
→ 成行で購入
その後:
2,000円 → 1,800円 → 1,500円と下落
1ヶ月後:
株価1,200円
含み損:-40%
なぜ失敗したか:
- 初値が最高値になることが多い
- 「材料出尽くし」で下落
- 公募当選者の利益確定売りが出る
失敗パターン2:話題性だけで買う
典型例:
「この会社、メディアで話題!」 「友達も買うって言ってた!」
→ 内容を理解せずに購入
その後:
- 実は赤字企業だった
- ビジネスモデルが不安定だった
- 株価が下落し続ける
なぜ失敗したか:
- 企業を理解していなかった
- 話題性と企業価値は別
失敗パターン3:高値掴み
典型例:
上場1週間後:
初値1,800円 → 2,200円に上昇
「まだ上がりそう!」
→ 2,200円で購入
その後:
2,200円が天井
2,000円 → 1,600円 → 1,200円と下落
なぜ失敗したか:
- 上昇のピークで買ってしまった
- チャート分析をしていなかった
失敗パターン4:ロックアップ解除を知らない
ロックアップとは: 上場後、一定期間、大株主が株を売れない制度
典型例:
上場日:1,800円
3ヶ月後:2,500円(順調に上昇)
ロックアップ解除日(上場180日後):
創業者や投資家が売却開始
→ 大量の売り圧力
→ 株価急落:2,500円 → 1,800円
保有していた投資家:
「なんで急落したの!?」
なぜ失敗したか:
- ロックアップを知らなかった
- 解除日前に売却すべきだった
失敗パターン5:赤字企業に投資
典型例:
「IPOだから成長期待!」 「赤字でも将来性がある!」
→ 赤字のIPO企業に投資
その後:
- 黒字転換できない
- 資金繰りが悪化
- 株価が下落し続ける
- 最悪の場合、上場廃止
なぜ失敗したか:
- 赤字企業はリスクが高い
- IPOだからといって成功するとは限らない
株研メソッドでのIPO株の買い方
では、株研メソッドでは、どうIPO株を買うのでしょうか?
基本方針:焦って買わない
重要: 上場直後には買いません。
理由:
- 初値が高すぎる
- 値動きが激しい
- 情報が少ない
- チャートが短すぎて分析できない
いつ買うか: 上場後、最低2〜3ヶ月待つ
IPO株購入の5つの条件
株研メソッドでIPO株を買う条件:
条件1:上場から3ヶ月以上経過
- チャートが形成されている
- 値動きが落ち着いている
- 情報が揃っている
条件2:株価が1,000円以下
- 株研メソッドの基本ルール
- 下落リスクを抑える
条件3:2ヶ月連続陽線が出た
- 上昇トレンドの確認
- これが最重要
条件4:出来高が十分
- 10万株/日以上
- 流動性の確保
条件5:ビジネスモデルが理解できる
- 何で儲けているか分かる
- 今後の成長が見込める
具体的な手順
Step 1:上場日をチェック(でも買わない)
IPO情報サイトで、新規上場をチェック:
- 企業名
- 事業内容
- 上場日
- 公開価格
「へー、こんな会社が上場するんだ」
→ 監視リストに追加(買わない)
Step 2:3ヶ月待つ
その間:
- 月末に株価だけチェック
- チャートを記録
- 陽線か陰線かメモ
Step 3:条件を満たしたら購入検討
3ヶ月後の月末: 「お、2ヶ月連続陽線だ」
「株価も800円で1,000円以下」 「出来高も十分」
→ 購入を決定
Step 4:翌月初に購入
翌月の最初の営業日:
- 成行または指値で購入
- 購入後は、通常の株と同じように管理
実例:Q社のIPO(成功例)
2023年6月上場のQ社
上場日(6月15日):
公開価格:1,200円
初値:2,000円
→ 株研メソッドでは買わない
7月末:
株価1,500円(陰線)
→ まだ買わない
8月末:
株価1,200円(陰線)
→ まだ買わない
9月末:
株価1,100円(陰線)
→ まだ買わない
10月末:
株価900円(陰線)
→ まだ買わない
11月末:
株価1,000円(陽線)← 初めての陽線
→ まだ買わない(1ヶ月だけだから)
12月末:
株価1,150円(陽線)← 2ヶ月連続陽線!
条件1:上場から6ヶ月経過 ✅
条件2:株価1,000円以下...1,150円(△)
→ まだ買わない(株価が少し高い)
2024年1月末:
株価980円(陰線)
→ 買わない
2月末:
株価1,050円(陽線)
→ 買わない
3月末:
株価1,180円(陽線)← また2ヶ月連続陽線
→ まだ買わない(株価が高い)
4月末:
株価950円(陰線)
→ 買わない
5月末:
株価880円(陽線)
→ 買わない
6月末:
株価950円(陽線)← 2ヶ月連続陽線!
条件1:上場から1年経過 ✅
条件2:株価1,000円以下 ✅
条件3:2ヶ月連続陽線 ✅
条件4:出来高15万株/日 ✅
条件5:ビジネスモデル理解 ✅
→ 購入を決定!
7月1日:
950円で購入
その後:
8月末:1,150円
9月末:1,350円
10月末:1,550円
11月末:1,800円(+2σ到達)
12月1日:1,800円で売却
利益:850円
利益率:89.5%
保有期間:5ヶ月
成功のポイント:
- 上場直後の高値(2,000円)では買わなかった
- 下落を待った
- 2ヶ月連続陽線を待った
- 冷静に条件を満たすまで待った
IPO株を買う時の注意点
注意点1:ロックアップ解除日を確認
ロックアップ解除日: 上場後90日、180日後に設定されることが多い
確認方法:
- 目論見書(企業が公開する資料)
- IPO情報サイト
対処法:
- 解除日の1ヶ月前には売却を検討
- 大量の売りが出る可能性
注意点2:赤字企業は避ける
基本方針: 赤字のIPO企業には投資しない
理由:
- リスクが高すぎる
- 黒字転換できるか不明
- 資金繰りが悪化する可能性
例外: 黒字転換の見通しが明確な場合のみ
- 「来期、黒字化予定」
- 「すでに黒字化の兆し」
注意点3:時価総額を確認
小さすぎる企業は避ける
目安:
- 時価総額50億円以上
- できれば100億円以上
理由:
- 流動性が低い
- 機関投資家が買わない
- 値動きが不安定
注意点4:業種を理解する
避けるべき業種(株研メソッドでは):
- 創薬・バイオ(値動きが激しい)
- 不動産(金利の影響が大きい)
- 単一事業の会社(リスクが高い)
推奨する業種:
- IT・ソフトウェア
- クラウドサービス
- DX支援
- 多角化している企業
注意点5:公募価格との比較
現在の株価が、公募価格の何倍か確認
公開価格:1,000円
現在の株価:2,500円
→ 2.5倍
これは高すぎる可能性
目安:
- 公開価格の1.5倍以下:買い検討
- 公開価格の2倍以上:高すぎる、避ける
よくある質問
Q1:公募で当選したら、どうすべき?
A:初値で売却を推奨します。
理由:
- 高確率で利益が出る
- 初値が最高値になることが多い
- リスクを取る必要がない
例外:
- 本当に素晴らしい企業だと思う
- 長期保有したい → その場合は持ち続けてもOK
Q2:上場10年未満なら、全部買っていい?
A:いいえ、他の条件も満たす必要があります。
必須条件:
- 2ヶ月連続陽線
- 株価1,000円以下
- 出来高十分
- ビジネスモデル理解
上場年数は条件の1つに過ぎません。
Q3:IPO株専門で投資するのは?
A:推奨しません。銘柄を限定しすぎです。
理由:
- IPO株の数は限られている
- 条件を満たすIPOは、さらに少ない
- 投資機会が減る
推奨:
- IPO株も、上場10年未満の既存株も、両方見る
- 条件を満たす方を買う
Q4:上場初日は見ない方がいい?
A:見てもOKですが、買わないこと。
上場初日にやること:
- 初値を記録
- 企業情報を確認
- 監視リストに追加
- 「3ヶ月後にチェック」とメモ
それだけです。
まとめ:IPO株は焦らず待つ
今日の重要ポイント
- IPO株の2つの買い方
- 公募:当選しないから非推奨
- 上場後:株研メソッドの推奨
- IPO株の3つの値動き
- パターン1:初値高く、その後下落(60〜70%)
- パターン2:初値低く、その後上昇(20〜30%)
- パターン3:公募割れ(5〜10%)
- 失敗する5つのパターン
- 初値で飛びつく
- 話題性だけで買う
- 高値掴み
- ロックアップ解除を知らない
- 赤字企業に投資
- 株研メソッドの買い方
- 上場直後は買わない
- 3ヶ月以上待つ
- 5つの条件を満たしたら購入
- 焦らず、冷静に
- 注意点
- ロックアップ解除日
- 赤字企業は避ける
- 時価総額を確認
- 業種を理解
- 公募価格との比較
実践のためのチェックリスト
IPO株を買う前に確認:
□ 上場から3ヶ月以上経過している?
□ 株価は1,000円以下?
□ 2ヶ月連続陽線が出た?
□ 出来高は10万株/日以上?
□ ビジネスモデルを理解している?
□ 赤字企業ではない(または黒字転換見込み)?
□ ロックアップ解除日を確認した?
全てYes → 購入OK!
最後に:IPOは特別ではない
IPO株を、特別視する必要はありません。
「IPOだから儲かる」わけではありません。 「IPOだから危険」でもありません。
IPO株も、普通の株と同じです。
株研メソッドの条件を満たしていれば、買う。 満たしていなければ、買わない。
それだけです。
焦らず、冷静に、ルール通りに。
これが、IPO株で勝つ秘訣です。
今日のポイント:
- IPO株は特別ではない
- 上場直後は買わない(3ヶ月待つ)
- 2ヶ月連続陽線を必ず待つ
- 5つの条件を満たしたら購入
- 赤字企業は避ける
- ロックアップ解除日を確認
- 焦らず、冷静に、ルール通りに

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